契約社員必見!無期転換ルールの意味とメリット・デメリットについて

契約社員必見!無期転換ルールの意味とメリット・デメリットについて

契約社員の方々は「無期転換ルール」というものをご存知でしょうか。労働者の形態は正社員、アルバイト、パートなど色々とありますが、近年契約社員として働く人が増えています。そこで今回は、契約社員の方必見の無期転換ルールについて詳しくご解説しましょう。



無期転換ルールについて

契約社員必見!無期転換ルールの意味とメリット・デメリットについて無期転換ルールとは、あまりなじみのない言葉かもしれません。この意味について、特徴なども含めて詳しくご説明していきましょう。

 

契約社員とは何か

契約社員というのは、半年や1年単位の労働契約を締結している、もしくは更新することで「有期契約労働者」とも呼ばれています。

一般的には契約社員やアルバイト、パートタイマーなどが有期契約労働者で、正社員のように定年までの雇用ではなく期間限定であることが特徴です。

 

無期転換ルールとは何か

契約社員の無期転換ルールというのは、雇用契約が5年を超えて繰り返し更新される場合、契約社員本人から希望があれば企業側はその契約社員と期間限定なしの雇用契約に転換を行うことです。

この申込権が始まったのは平成30年4月からで、通算5年の契約カウントは平成25年4月1日以降に開始された労働契約が対象になっています。

なぜ無期転換ルールが導入されたかという理由ですが、有期労働契約者の3割が通算5年以上を超える有期労働契約を繰り返し更新している現実があり、それにより雇止めの不安を解消することが目的とされています。

無期転換ルールは、契約社員だからといって不合理な労働条件が定められないよう、安心して働く環境を実現するためのものなのです。

 

契約が切り替わるタイミングについて

契約社員の無期転換ルールは、5年を超える契約更新が条件となっていますが、具体的にいつから対象になるか一例を挙げてご説明します。

たとえば契約期間が1年ごとの更新の場合、最初に契約を締結してから1年後に最初の更新時期を迎えることになります。この繰り返しが続き、5回目の更新時期(勤務5年間)を迎えた際に無期転換申込権が発生します。

5回目の更新後の1年の間に申し込みを行い、6回目の更新はなくなり無機労働契約となる流れです。無期転換ルールを申し込み無期労働者になるのは、勤務開始してから7年目ということになります。

 

申し込み方法について

無期転換ルールの対象になった場合、申し込み方法は口頭でも法律上は有効になります。しかし口頭では、後で誤解が生じてしまう可能性もありますので、できるだけ書面を使って申し込みをしましょう。

「無機労働契約転換申込書」などのフォーマットが、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。勤務先で専用の書式を用意している場合もあるので、念のために確認しておきましょう。

 

対象になる人

無期転換ルールの対象者は契約社員。企業により契約社員の定義は違いますので、あらゆる人が対象になる可能性があります。たとえば嘱託社員という名前でも、期間を定めた労働契約なので無期転換ルールの対象です。

ケースとしては少ないのですが、正社員でも期間を定めた労働契約がある場合は、同じく無期転換ルールの対象者になります。

契約社員でも、原則は同一の会社で通算5年を超えることが条件。アルバイトやパートタイマーなど名称は関係なく、条件を満たす有期労働契約が対象になります。

 

無期転換後はどうなるか?

契約社員が無期転換ルールにより、有期の労働契約が無期に転換されますが、気になるのは労働条件ですよね。基本的に直前の有期労働契約と同じ条件が適用されますので、事前に就業規則を読んでおきましょう。

定年などの労働条件を適用する場合なども、企業側が適切に条件を明確化しておく必要がありますので、疑問点がある場合はきちんと担当者から説明してもらうと安心です。

 

契約社員の無期転換ルールのメリットやデメリットについて

契約社員必見!無期転換ルールの意味とメリット・デメリットについて契約社員は自分のスキルや経験に合わせて仕事が選べるメリットがあり、色々なフィールドに挑戦したい人にとっては魅力的な働き方です。

しかし契約社員でいることはデメリットもあり、無期転換ルールにより労働者にはあらゆるメリットやデメリットが考えられます。

 

無期転換ルールのメリットについて

契約社員や派遣社員と呼ばれる働き方は、会社の業績によって契約更新されないなど、将来的に不安がありますよね。無期転換ルールが導入されると安定的に働けるため、意欲的に仕事に取り組めるメリットがあります。

さらに契約社員が難しいと感じていた長期的なキャリア形成も、無期限の労働環境なら期待できるでしょう。また契約社員で短期的な仕事を繰り返している人なら、毎回新しい職場に慣れるストレスや不安などもあると考えられます。

その点長期間同じ職場で働けることは、ワークスタイルを安定させるメリットにもなるのです。

 

自動的に契約は変わらない

無期転換ルールとは、自動的に契約社員の労働契約がある一定期間になれば無期契約になるものではありません。希望する場合は労働者が自分で申し込みをしないと、企業側からすれば契約社員のまま労働してもらっても法的には可能なのです。

申し込むタイミングを正確に把握するためにも、有期労働契約の通算期間や起算点などを念のために確認しておきましょう。

 

正社員になるとは限らない

労働契約が有期から無期に転換されるということは、正社員になることだと勘違いしてしまう人もいるようです。無期転換後の雇用区分は企業によって違いますので、必ず正社員扱いになるとは一概にはいえないのです。

 

クーリング期間に注意すること

通算期間「5年以上」というのが無期転換ルールのキーワードになっていますが、通算期間の中には含まれない「クーリング期間」が存在します。

この期間は、同一企業との契約で無契約になっている期間のこと。たとえば3年間の有期労働契約をしてその後半年無契約があると、申込権が発生する6回目の更新時からは半年が差し引かれてしまい申込権がなくなります。

この無契約期間はそれ以前の通算契約期間ごとに、たとえば2か月以下の通算契約なら無契約期間1か月以上など、クーリング期間として扱う期間が決まっていますのでご注意くださいね。

 

派遣社員の場合について

契約社員必見!無期転換ルールの意味とメリット・デメリットについて派遣会社から派遣されているスタッフの場合、無期転換ルールはどのように申し込むのか、手順や注意ポイントについてご説明しましょう。

 

申し込み先は派遣会社

派遣社員の方も無期転換ルールの対象者。この場合は申し込みをするのは派遣先企業ではなく、派遣会社になりますのでご注意ください。

条件を満たした申し込み時の有期労働契約が終わる日の翌日から、派遣スタッフは無期契約の労働契約を結ぶことになります。

 

登録しているだけではカウントされない

派遣労働をする際に派遣会社に登録して、派遣先が決まった時に労働契約を締結する登録型派遣。一般的に派遣スタッフと呼ばれるのはこのタイプに属します。

登録型派遣の場合は、ただ派遣会社に登録しているだけの状態では、労働契約の通算契約期間としてカウントされないのでご注意ください。

また登録型派遣には、派遣期間の制限3年が設けられている場合もあるので、どのような対処になるかを登録する際に確認しておきましょう。

 

まとめ

働き方のスタイルは、人によって好みがありますよね。契約社員のほうが自由でいいと感じる人もいるはずですし、正社員として転職を考える人もいるでしょう。

契約社員の無期転換ルールは、キャリア構築のよいチャンスであることは間違いありません。現在の労働形態に不安を感じる人は、転職エージェントで今後のプランについてアドバイスしてもらうこともできますので、働く目的を明確にして早速行動を開始してみませんか。



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