中小企業から大手企業へ転職する魅力と注意点について
小企業から大手企業に転職するのは、大きなステップアップにつながります。近年転職する目的は、現職に問題点があるからという理由以外にも、違う業界に興味を持ったり、自分の可能性を広げたりするためにキャリアチェンジする人も増えています。
勤務先の規模にこだわる人も中にいるようですが、今回はそんな人に向けて中小企業から大手企業へ転職する魅力と注意したいポイントをご解説しましょう。
中小から大手へ転職するメリット
あまり知名度の高くない中小企業に勤務していると、有名な大手企業には憧れを抱きますよね。では大手企業へ転職を考える人にとって、どのような点が魅力になっているのか、大手企業のメリットについてご説明しましょう。
基盤が安定している
日本に存在する400万社以上の企業のうち、99%近くが中小企業ともいわれています。大手企業に憧れるのは、希少価値を感じることも理由かもしれませんが、中小企業から大手企業に転職したい理由の多くが、経営基盤が安定していること。
中小企業以上にネットワークがしっかりしているので、経営破綻のリスクが低いといえるでしょう。安定した経営基盤があるのは、資本力の違いも関係しています。
経済動向の変化がすぐに影響する企業と比較すると、社員の生活が安定しているとも考えられるのです。
福利厚生が充実
大手企業に転職するメリットは、福利厚生も魅力になっています。グループ会社や取引先、関連会社が多いため、あらゆる業界からサービスが受けられます。
福利厚生は法定福利と法定外福利の2種類がありますが、大企業の場合、法定外福利厚生が充実しているので家族で旅行するなど、エンターテイメントでも活用できるサービスがたくさんあるのです。
特に提携割引は大企業ならではの魅力で、中小企業では得られない魅力的な部分になるでしょう。
年収アップ
中小企業から大企業に転職するメリットは、年収が高くなることが挙げられます。基本給ではさほど差が見られないかもしれませんが、ボーナスで格差が出る傾向にあるでしょう。
大企業ならボーナスは基本給の3か月分としたら、中小企業なら基本給の1.5か月相当。また残業代についても、大企業のほうが高い傾向にあるので、トータルすると年収がアップする可能性があります。
また大企業は、労働組合がしっかりと確立されているケースが多いもの。労働条件の見直しや改善など、企業側とも常に話し合いがされ、残業代の未払いなどは起こりにくいといえるでしょう。
イメージがよい
知名度の少ない企業に勤務している人は、他人に勤務先を聞かれた時に答えるのが抵抗になりませんか。大企業に転職する魅力はブランド志向のようなもので、自慢できることがメリットです。
誰でも知っている大手の会社や、テレビCMでもおなじみの人気企業など、大企業で勤務しているというだけで他の人と差をつけた気分になれるかもしれません。
イメージだけを重視する人は、会社の内容よりも表面的なことを意識しやすいので、知名度だけで選ぶのは危険な部分もあるでしょう。
中小から大手へ転職するデメリット
中小企業よりも大手企業のほうが、何かとよい面が多いイメージがありますが、大企業よりも中小企業のほうがよい部分もたくさんあります。転職活動を始める際は、大企業のデメリットについても理解しておきましょう。
個人の意見が反映されない
大企業で何かを決断するには、多数の社員や幹部などの承認を得る必要がありますので、個人の意見が反映されない特徴があります。斬新な意見があっても、古い役員に受けつけてもらえないようなこと。
中小企業では社員と役員との距離感がないため、直接話をする機会も多いでしょう。大企業ではたとえよい意見でも、一人がNOと言えばなかなか決断されることはないのです。
大企業のデメリットのひとつとして、社長や専務などの役員と会話をすることがほとんどなく、個人の価値観があまりアピールできないことが挙げられます。
システム化されすぎる
中小企業から大企業に転職して驚くのは、会社のルールなどがきちんとシステム化されていることです。就業規則はもちろんですが、プライベートに関する内容まで厳しい規定やルールがある場合もあり、何かと神経を使ってしまうでしょう。
中小企業なら臨機応変に対応できたことも、大企業だとルール違反にならないよう、就業時間以外でもストレスを感じるかもしれません。
研修が長い
中小企業なら即現場に向かい、苦戦しながらどんどん仕事を覚えられます。大企業は人材育成にお金や時間をかける反面、中途入社や新卒者に対しては細かい研究制度があるでしょう。
仕事をスムーズにするために大切ではありますが、すでにスキルや経験がある人にとっては、とても無駄な時間に感じる場合も。大企業の中には、研修期間を3年ほど設けている場合もありますので、自立する前に飽きてしまう場合もあるかもしれません。
実力がなかなか評価されない
多数の中の一社員になってしまう大企業は、年功序列型になっている場合も多く、そのようなシステムでは成果主義で能力を発揮することが難しくなります。
ベンチャー企業や中小では実力で勝負しやすいのですが、大企業には独自の評価制度があり、他社員より評価がよくても給料がアップしないという現実もあります。
中小企業から大手企業を狙うコツ
中小企業から大手企業に転職は可能です。それぞれのメリットやデメリットを考えて、自分のキャリアにどう影響するか、あらゆる面から考えてみましょう。では中小から大手を狙う場合、大切になるポイントをご説明します。
専門性
人手不足の今の時代、転職市場では自分の希望条件を満たす求人は、かなり豊富に用意されています。中小から大手に転職するのは、決して有利であるとはいえませんが、大企業が求めることを理解しておけば成功します。
そのうちのひとつが専門性。大手企業で勤務する社員は、専門性を磨きにくいデメリットがありますので、この弱点を埋めるために専門性が求められています。
たとえば企業が新プロジェクトを立ち上げる際、広報に関する知識がある人を即戦力にしたいということがあるでしょう。その時に大企業が求める専門性を持っていれば、たとえ知名度の低い会社からでも、大企業に転職はできるのです。
中小企業の魅力を発揮する
大企業で働くことはメリットばかりではなく、もちろん中小企業ならではのよさがあります。社員の数が少ない会社では、経歴が浅い人にも裁量権が与えられるチャンスがあり、責任重大な役職につくことも。
また仕事の流れを総体的に把握するスキルや、管理職とのコミュニケーション能力などは、大企業でも活かしやすいでしょう。中小企業では一人で採用から教育、労務まで行うこともありますので、幅広い経験やスキルは大企業の即戦力になります。
大量採用を狙う
一流大学卒の人ばかりが勤務するような大企業に、中小企業から転職するのは不可能に思いますよね。しかし場合によっては、大企業で大量採用を行うことも。
大企業の中には、前職の経験やスキルを大切にしてくれるところも多く、中途採用をメインにしている企業も決して少なくありません。
たとえばマネジメントなどは、ある程度社会経験を積んだ人でないと即戦力にはなりません。営業職などは大手企業でも人手不足の傾向にありますので、職種を絞って転職を検討するのもオススメです。
まとめ
大企業だからという理由だけで転職するのは、あまりオススメではないもの。大企業のメリットとデメリットをよく理解して、自分の魅力や才能をもっと開花させてくださいね。