離職率が高い職場にありがちな共通点・転職者に人気がないのはこんな会社
離職率が高い職場は、転職先としてまず避けたいところですが、実際に働くまで会社の実態が見えてこないことはよくありますよね。会社のホームページや求人広告を見た限りでは、和気あいあいと楽しそうな職場だと思ったけれど、実際はとても辛い職場ですぐに辞めたくなったということも。
そこで今回は、離職率が高い職場にありがちな共通点についてご解説しますので、転職活動中の人はぜひ参考にして応募企業を選択してくださいね。
離職率が高い職場の共通点
離職率は「離職者数÷1月1日現在の常用労働者数×100(%)」で算出される計算で、日本の過去10年間の離職率は平均15%とされています。
離職率は法律で算出ルールが決まっているわけではありませんので、企業ごとに若干違うこともあります。条件がよく働きやすい職場なら、快適に勤務できるのは当然。
逆に離職率が高い職場だとどのような問題があるのか、つい詮索したくなりますよね。では一般的にいわれている離職率が高い職場とはどういったところか、共通するポイントを見ていきましょう。
給料が安い
離職率が高い職場にありがちな特徴として、給与の低さが挙げられます。会社や職種によって給料が違うのは納得できる点ですが、似たような会社の規模で同じ仕事を担当している人と給与に差があると、やる気をなくしてしまいますよね。
ライバル企業の給与はとくに気になりますので、学生時代の友人と給料の話題になり愕然とすることがあるでしょう。働くモチベーションでもある給与は、自分が納得できるかどうかが大切なポイントですね。
人材育成してくれない
「未経験者でも可」という仕事に就いた場合、作業を覚えるまでに色々な人のサポートが必要になります。また長年勤務している人も、キャリアを伸ばすためには会社レベルでのサポートが必要なので、個人のスキルアップを考えてくれないのは離職率が高い職場かもしれません。
たとえば初めて任された仕事。やり方がわからなくて、誰に質問すればよいのかわからない職場。できないのは本人が悪いからという雰囲気があると、毎日働く意欲をなくしてしまいます。
人材育成は、会社の大切な資産を作るためにも欠かせないことなので、研修制度やサポート制度がない会社は働きにくさを感じるのは仕方ありません。新人にとっては仕事を覚えるのが大変で、効率の悪い仕事のこなし方になってしまいます。
人間関係が複雑
中小企業、大企業に関係なく、離職率が高い職場には複雑な人間関係が共通しています。仕事内容に全く不満がなくても、一緒に働く人にストレスに感じると、精神的な負担が増えるのは当然です。
たとえばお局さまがいる職場や派閥がある職場。自分がどこかに属していないと仕事がやりにくいのは、離職率が高い職場にありがちなことです。
とくにリーダーの人間性や価値観は、従業員のモチベーションを左右することで、居心地のよい職場作りの軸になる部分。理不尽な態度で接する人に囲まれていると、会社を辞めたくなるのは仕方ありません。
過酷な労働環境がある
毎日残業が続き、定時で帰るのが申し訳なくなる職場は意外と多く存在します。残業が慢性化している、休日出勤が当たり前だと、心身共に休める機会がなく、疲れたまま仕事を毎日やっているため、ミスも増えてしまうでしょう。
たとえ休憩時間や休日でも、会社からの連絡待ちをする状態だと離職する人が増えるのは自然な成り行きかもしれません。有給休暇は法律で労働者に権利があるものですが、過酷な労働環境がある職場だと休む雰囲気は全くなく、仕事と休みのメリハリがありません。
売り上げ主義
会社の売り上げがアップすれば、従業員の給与アップも期待できますので、企業は売り上げ目標を掲げあらゆる角度から数字を上げる努力を日々続けています。
それはビジネスの土台でもあり、従業員は納得している部分なのですが、あまりにも売り上げ主義の会社だと厳しいノルマが課せられ、自分のスキルを上手く発揮できないこともあるかもしれません。
とくに営業職の場合、実力次第になると評価される人との差がはっきりわかってしまい、次第と会社にいづらくなることもあるでしょう。
社会に貢献する会社の理念は、従業員にとっても誇りを持って働く理由につながります。
離職率が高い職場のデメリットとは?
離職率が高い職場でも、運よく自分にとっては働きやすい環境が揃っている場合も稀にあります。しかし今は快適でも、離職率が高い職場はデメリットがありますので、次の点を注意して自分のキャリアを考えてみましょう。
しわ寄せがくる
離職率が高い職場は、従業員の需要と供給のバランスが常に悪くなり、新しい人が来るまでに人員の不足をカバーしなければなりません。
そのためすでにいる従業員にしわ寄せがくるため、今は大丈夫でもいずれ残業時間が増えたり、休日出勤が増えたりすることもあるでしょう。
さらにそのような労働環境は充分なフォローがないので、新しい人の定着率がさらに悪く、常に人手不足で自分の担当以外の仕事を無理やりやらなければならないことにもなりかねません。
生産性が低下する
離職率が高い職場にはあらゆる共通点や原因が考えられますが、将来的にこのような職場で我慢して働いたとしても生産性が低下するため、経営面で考えてもデメリットになるでしょう。
離職者が多いと、その分どこかでフォローが必要になり、本来できる仕事が手薄になります。途中まで覚えてくれた人が離職することで、作業が不完全なまま進み会社のイメージダウンにつながることも。
生産性を高めるには従業員のやりがいは大切ですので、嫌々仕事をする環境は現場が混乱する要因になります。
余計なコストがかかる
離職率が高い職場は常時中途採用を行うため、求人広告の費用や採用に関するコストが常に必要になります。たとえば職場のリーダー的な人が離職した場合、後任者を見つけるには慎重な採用が必要になりますので、高額な紹介料を支払い、アウトソーシングする場合もあるでしょう。
離職率が少ない職場なら、この費用負担がなくなりますので、従業員に還元される可能性もあるかもしれません。
丁寧にサポートしてくれない
離職率が高い職場で勤務する人は、新しい人がきても「どうせすぐ辞めるだろう」という姿勢が目立ちます。そのため丁寧に仕事のサポートをしてくれない場合や、簡単なことしか任せてくれないとったデメリットも。
自分のスキルが発揮できない職場はやりがいがなく、仕事の質も低下してしまいます。新人が増えるほど、指導やフォローに与える時間は増えますので、生産性が低下するだけでなく職場の人間関係も表面的になりがちです。
離職率が高い職業
離職率が高い職場だけでなく、「職種」にも注意が必要です。統計的に離職率が高いトップ5は、1位が飲食サービス業の約27%、2位が娯楽業や生活関連サービス業の約24%。3位がその他のサービス業、4位が教育関連、5位が医療や福祉となっています。
1位の飲食サービス業は、激務なのに賃金が安いことが離職率の高い原因といわれ、労働の対価は従業員のモチベーションになることは納得ですね。
離職率が高い職種と職場は何かしらの共通点がありますので、転職先の選択で失敗しないためにもそれぞれの特徴は理解しておきましょう。
まとめ
離職率が高い職場は、転職者にとって避けたい存在というだけでなく、我慢して働くのもストレスの原因になります。必ずしもこのような職場が悪いというわけではありませんが、離職率は目安として転職の際に頭に入れておきたい情報になるでしょう。