スイスに就職・転職することを考えるうえで知っておくべきこと
スイスの企業に就職したい、転職したい、住みたいなどと考えた経験はありませんか。スイスは日本人にも人気の観光地のひとつです。
ヨーロッパ中部の内陸に位置し、アルプスの自然豊かな環境に心奪われる人もいるでしょう。スイスに就職・転職することを考えるうえで、知っておくべき内容についてご解説していきますね。
スイスに就職・転職したいと思う日本人について
日本人でスイスに就職したい、転職したいと思う人は、どのような人たちでしょう。スイスには日本人が、すでに1万人程度住んでいます。
という点から考えると、日本から就職をしようとした時に馴染みやすさがあります。多国籍のように、いろいろな国からスイスに働きに来ている中で、日本人がそこに加わるのは案外簡単かもしれません。このような理由もあり、スイスで就職をしたいと考える日本人もいるのです。
スイス人の特徴は日本人と似ている?
スイスの6割以上はドイツ語圏です。最も多いドイツ語圏のスイス人の特徴は、日本人と共通しているところがあります。
電車は定刻通りに運行されるなど、時間を大切にして約束の時間を守るという文化があります。ルールをしっかり守る人が多い部分も、日本人との共通点と言えるでしょう。
自分の仕事は責任をもってやるという真面目さも、日本人と近い特徴です。様々な職種の職業訓練の学校があり、教育制度がしっかりとしています。
スイス人はとても親切で、親しみやすいという特徴もあります。このような特徴も、日本人がスイスに就職や転職したいと思う理由のひとつなのかもしれません。
スイスで働くと平均給与や生活水準はどれぐらいのものになるのか?
スイスに就職や転職を考える場合、平均給与や生活水準がどれくらいなのか気になります。チューリッヒなどの都市部は、地方と比べて平均給与が高いといえます。働く業種や企業によっても差はあります。
しかし一般的に言えるのは、スイスの平均給与は世界的にみてもトップクラスということです。優良企業では、平均年収が1,000万円を超えるともいわれています。
平均給与や生活水準は高いのですが、物価の高さも世界有数でもあります。地産地消のチーズや牛乳・ワイン・パンなどはそれほどでもないのですが、内陸国のため輸入コストなどが掛かることも物価が高い要因でしょう。
スイスで働くとしたら、どういう企業があるのか?(優良企業)
スイスにはどのような産業が栄え、優良な企業があるのでしょうか。スイスは小さな国土で、日本でいえば九州と同じくらいの大きさです。
アルプスの山岳地帯が、南側の多くを占めています。人口は約850万人で大阪府よりやや少ないくらいです。比較的国土が狭く人口も少ないスイスですが、世界的な企業は多くあるのです。
・ネスレ(世界一の食品会社)
・ノバルティス、およびロシュ(大手製薬会社)
・チューリッヒ保険(保険会社)
・UBSグループ(金融グループ)
・アデコ(人材紹介派遣)
・ABB(重電・電力関連)
・スウォッチグループ、オメガ、ロレックス、タグホイヤーなど(時計)
・リシュモン(宝飾・時計・ファッション等の有名ブランドを傘下)
他にもたくさんの、世界的優良企業がスイスに本社を置いています。
そもそもスイスは住みやすいのか?
スイスは住みやすい国ランキングや、住みやすい都市ランキング、外国人が働きたい国ランキングなどで、上位にランクインする場合が多いのです。
物価が世界有数の高さということがありますが、それをカバーする魅力が大きいのでしょう。
街の美しさ・清潔感などの環境面、政治的・経済的な社会の安定、収入の高さなども高評価です。教育に関する環境やレベルの高さ、治安の良さなどの子育て面も安心して生活でき、住みやすさのひとつです。
都市に住んでいても比較的近くに大自然が広がり、スキーやハイキングなどを楽しめて、心身のリフレッシュができるのも住みやすいと感じる理由でしょう。
スイスに住むうえで日本人が気を付けるべきことはあるのか?
スイスに住むうえで日本人が気を付けるべきこととしては、どのようなものがあるかご紹介します。
治安が良い国でも注意
まずは安全です。他のヨーロッパ各国に比べて治安は良いスイスですが、スリや置き引きに対して注意する必要があります。外出する場合はできるだけ荷物は少なくし、口が開いたバッグは持たず、携帯する現金は必要最小限にしましょう。
外食や買い物に注意
スイスは物価が高いので外食する回数を減らし、なるべく自炊をするように心掛けましょう。環境に馴染むためにも現地の人と仲良くなり、両国の家庭料理をお互いに教え合えるようになれるといいですね。
またスイスでは、スーパーが夜遅くまで開いていない、日曜祝日は休業など、日本での買い物のように便利とは言えません。計画的に買い物できるよう工夫しましょう。
スイスで働く人はどういう人が多いのか?
スイスで働いている人は、現地の人がほとんどなのでしょうか。またスイス人以外の人は、どのくらいの割合なのでしょうか。
スイスに暮らす4人に1人、およそ200万人はスイス以外の国籍を持った人です。スイス在住の外国人であり、労働者以外も含んでいますが、外国人の比率が多い国ということに相違はないでしょう。
イタリア・ドイツ・ポルトガル・フランスの順に多くこの4か国で約5割、ヨーロッパ各国で約8割を占めます。
イタリア・ドイツ・フランスは国境を接し、スイス国内に各言語圏が存在するので、この3か国の人が多いのは容易に想像できます。ポルトガル人が多いのは少し意外ですね。
ヨーロッパの中央部に位置する地理的条件のほかに、多くの国際機関の本部が置かれていること、世界的な企業・金融の拠点でもあることが関係しているのでしょう。
スイスに就職・転職した人の感想について
・ドイツ語に少し自信があったのですが、スイスドイツ語にはとても苦労しました。ドイツ人でもあまり理解できないほど独特です。英語ができれば、生活や大抵の仕事では支障がありませんが、ドイツ語圏の現地に溶け込むにはスイスドイツ語のハードルが高いです。
・正社員でもパートタイムがあって、週3日や週4日勤務の人が結構いることに驚きました。自分の時間を大切にしたい人が多いようです。
スイスに就職・転職するにはどうすればよいのか?
スイスに就職や転職するには、どのようにすればよいのでしょうか。そのポイントについてお伝えしていきましょう。
語学力プラス強みが大事
スイスに就職や転職するには、まず必要なスキルは語学力です。スイスには4つの公用語(スイスドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語)があり、地域によって主に使われる言葉が違います。
しかし全地域で英語は通じますので、ビジネス英語は少なくとも身に着けておく必要があります。語学力だけではアピールできず、プラスアルファの強みが必要です。経験・職歴や特別な技能などを身につけましょう。
専門の資格が有利
スイスでの就職には「労働許可証付き滞在許可証」が必須です。まず移住して職業訓練校で専門の資格を得るのが、就職や転職する手段のひとつです。
転職エージェントの活用
学歴や職歴・資格が重要視される海外転職ですが、求人サイトに応募して個人で実現するのはとても困難です。転職エージェントに登録することをおすすめします。
特に初めての海外就職や転職の場合、不安な部分も多いでしょう。エージェントを利用し任せることで、入社までのサポートをしっかりと行ってもらえて安心です。
まとめ
スイスに就職・転職することを考えるうえで知っておくべき内容をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
永世中立国でとても平和的で安定した国のスイス。事件のリスクが低いこともあり、国際機関や世界の名だたる企業も多く集まる国です。
大自然も美しく、多くの人が憧れる国でもあります。スイスでの就職や転職に、少しでもお役に立てれば幸いです。