
断れない心理が働く場面について・なんでも引き受ける人のメリットとデメリット
断れない人は心理的背景が影響を与えていますので、断れない状態がいつまでも続くと心の負担になってしまいます。お願いごとをなんでも引き受けてくれる「いい人」タイプは、周囲にも必ずいるはず。
逆に自分が断れないタイプで困っているという人もいるでしょう。そこで今回は、なんでも引き受ける人のメリットとデメリットについて、詳しくご解説していきますね。心理的な理由に気づくと、もっと楽に生活ができるようになります。
断りにくい心理や場面とは?
本当は嫌だと言いたいけれど言えない、そんな場面に出くわしたことは誰しも一度はあるでしょう。しかし習慣的に断れない人は、次のような心理背景があると考えられます。
相手との関係を悪くしたくない
断れない心理が働くのは、たとえば上司に仕事を頼まれた時に、無理なので「できません」と伝えるような瞬間で、断ることで自分が今後不利になるのではないかと不安になっています。
周囲の視線を気にする人は嫌われたくない気持ちが強いため、断れない心理がよく働きます。「断る」という行為は、相手を拒否していると考えてしまうので、無理でもやらないと自分に悪い評価がつきそうな不安があるのです。
罪悪感があるため
断れない人は、心理的に拒否したり否定したりする言動に罪悪感を抱く傾向があります。頼みごとをしてくるのは助けを求めているのと同じで、困っている人を見捨ててしまうような不快な気持ちを抱くのでしょう。
たとえばゴロゴロしながらテレビを見ている人に「冷蔵庫からドリンクを持ってきて」とお願いされる場面。自分が必要とされているのに断ってしまうのは、相手が可哀想なように感じてしまいます。
実際は自分しかその場にいないためや、自分でもできることを他人に頼る人は大勢いますよね。でも罪悪感があるので、相手が不利になるような考え方はしません。
思いやりがあるため
「出かけるのが面倒だから、代わりにやってくれる?」などと友人にお願いされても、嫌な顔ひとつせずにやってくれる人。本音ではやりたくないことまで引き受けていますが、断れないのは心理的に相手への思いやりがあるためなのです。
疲れた、面倒くさい、やりたくないという自己都合でも相手の立場になってしまい、助けてあげたくなるタイプ。行きたくない遊びに誘われても断らず参加するなど、相手の気持ちを考えすぎる傾向にあります。
今やらないと相手が困ると感じているので、結果的に自己犠牲的な場面も増えてしまうでしょう。
自分の立場を考える
断れない心理とは、相手と自分の関係を冷静に判断しているためで、立場上断ってはいけないと自分に言い聞かせています。たとえば隣近所の人。
「ゴミ出し、やっておいてもらえますか?」と頼まれて、本当はやりたくない場面もあるでしょう。でも隣の人だから、不快にさせる態度はできないという立場にあります。
またオフィスのように、仕事上お世話になる人から依頼された場合など、自分が断ってはいけない存在なのだと自己流に解釈することが理由。心のどこかで「周囲から頼りにされている」という自信もあるかもしれません。
意志が弱い
断れない人は、心理的に意志が弱い傾向にありますので、他人の意見に流れてしまうことがあります。「あなたならできるはずだからお願い!」と強くお願いされると、できないことまで引き受けてしまいます。
それは自分の意志を強くアピールすることが苦手で、いつも心の中に不安を抱えているため、自分の考え方が正しいかどうかが判断できない状態です。
お願いごとをいつもしてくる人の中には、このような意志の弱い断れないタイプを狙っている人もいますので、不利な立場にならないよう注意したいですね。
ボランティア精神がある
断れない人は、心理的に他人を助けることに喜びを感じるボランティア精神が強いことが関係しています。困っている人を見過ごせないので、積極的に自分から手を差し伸べるタイプ。
他人から依頼されなくても、どんどん自分から周りを手伝うタイプなので、とてもエネルギッシュに見えるかもしれません。ボランティア精神が強い人は、見返りを期待してやっているわけではありません。強い信念がないとできないことなので、こだわりの強いところもあるでしょう。
断れないメリットについて
嫌でも引き受けてしまう断れないタイプは、自分自身にイライラすることもよくあるかもしれません。しかし断れない人には次のようなメリットがあるので、自分の魅力として開花させることも可能です。
信頼される
いつでもお願いすればやってくれる人、そんな存在感は次第に信頼へとつながり、困った時に相談したい相手になるはずです。周囲から頼られるためには、ひと回り器の大きな人間になることが必要です。
嫌な顔をせずに、自分が大変でもやってくれる人には感謝したくなるのは当然のこと。他の人にはない責任感があるので、特別なオーラを放っていることもあるかもしれません。
助けてもらえる
断れない人のメリットは、自分が窮地に追い込まれた時に、誰かが手を差し伸べてくれることです。いつもやってくれるから…とお礼してくれる人がいるので、自分から助けを求める手間やストレスがなく、周囲が気を遣っていつも心配してくれるでしょう。
普段から自分のことしか考えない人は、困った時に周囲もあまり意識してくれないはず。感謝されることをやっているからこそ、困った時にはメリットになるのです。
経験値が豊富になる
友人の仕事を手伝ってあげる場面。本来なら自分がやらないことをやってあげるので、結果的には自分の経験値につながります。そんな体験や経験は、断れない人だけが持つ特典のようなもので、自分の成長につながることもあるかもしれません。
教養、技術、そして他人への思いやり、あらゆる面で豊かになれるでしょう。他人の視点で物ごとを見るようになると、自分にはわからない世界を覗くこともできるかもしれませんよね。逆に断り続けると、貴重な体験ができないということなのです。
断れないデメリット
断らずに引き受けてしまうのは、人間関係を平和に維持できることが魅力かもしれませんが、あまりにも続くと次のようなデメリットが増えてしまいます。
断れないストレスが溜まる
本当は嫌だと自分でわかっていても断れない人は、心理的に関係する要因も多く、結果的に嫌々引き受けてしまいます。すると断れない自分に嫌気が差して、自己否定する習慣が増える可能性も。
本来なら引き受けるべきことも、自分肯定するために断るようになる可能性も出てくるでしょう。
都合よく利用されてしまう
断れない人を見抜いて、いつもお願いごとをしてくれるタイプも世の中にはたくさんいます。都合よく相手の都合で利用されてしまい、感謝もされずに終わってしまうこともあるかもしれません。
お願いされてきちんと感謝してくれる人かどうか、見極めができない時は、一旦考えたほうがよいでしょう。
優先順位がわからなくなる
断れない性格の人は、他人を優先して考える傾向にありますので、自分の手を止めてまでも他人の依頼を優先することも。すると本来やるべきことがどれかわからなくなり、物ごとの優先順位がつけられなくなるリスクがあります。最終的に自分のことが後回しになり、引き受けたことを後悔するのです。
まとめ
断れない人は、心理的に優しさや思いやりがある証拠です。それを悪用されないためにも、断るべき時をきちんと判断して、相手に伝える勇気も合わせて持っておきたいことです。
断れない人のメリットとデメリットを理解すると、引き受けるべきタイミングが見つけやすくなるでしょう。