責任転嫁するときの心理にあること・自分の間違いを素直に認めるステップ
責任転嫁するのは、心理的にそうさせてしまう理由があるためです。自分の失敗を他人に知られたくないと思うのは誰にでもあること。
しかしきちんと正面から向き合い、自分の間違いを認めることは、社会的にも居場所を確保する大切なポイントになります。そこで今回は、責任転嫁する時の心理についてご解説しますので、困った場面の対処として参考にしてくださいね。
責任転嫁する理由について
自分が失敗した後、誰かに責任転嫁してその場が収まれば、一番簡単でよいかもしれません。しかし世の中はそんなに上手くいくことはなく、結果的に自分に負担がさらにのしかかってくるものなのです。ではなぜ責任転嫁したくなるのか、心理的に考えられる理由を見ていきましょう。
評価を気にしているため
責任転嫁する心理とは、周囲の評価を気にすることが土台にありますので、自分ができない人間だと思われないように他人の気持ちを操作しています。
失敗するとそれなりの評価になるのは当然。とくに失敗が少ない簡単なことを間違えてしまうと、自分の能力を根本的に疑われてしまう場合もあるでしょう。
完璧主義の人はこの傾向が強く、常に評価を高く維持したいため、他人よりも自分の気持ちを優先しています。
失敗を自覚していない
責任転嫁する心理は意図的に自分を庇うだけでなく、自分に自信がありすぎて失敗したとは思っていない場合もあります。誰かのせいにしたいと思うのは、自分のミスが判明したことが土台にありますが、それ以前に無自覚な人だと、他人がやらかしたことだと本気で思っているのです。
結果的に自分が悪い場面でも、そこに至るまでの要因をいくつも並べて言い訳をするタイプ。他人の間違いを積極的に指摘して、なんとか責任から逃れようとしています。
間違いを認めるのが怖い
責任転嫁する心理とは責任を負うのが怖いためで、わかっていても直面したくないからなのです。間違ったら謝るというシンプルな構図。
しかし実際は責任を負うことで、あらゆる負担やストレスを抱えてしまいますよね。責任転嫁するのは恐怖心が強くなり、責任を負いたくない状態。
怒っている人の顔や話し方などがとても怖く感じるため、他人に間違いをなすりつけてやり過ごしたいのです。このタイプの人は、子供の頃から叱られず育ってきたことが考えられますね。
逃げてしまう性格
責任転嫁する心理とは、面倒なことを避けたい気持ちが強く、危ない場面や都合の悪い場面から逃げたいためです。他人の指摘や注意を素直に聞けないタイプなので、自分の価値観で物ごとを判断する場面も多いでしょう。
そのため少し自分勝手な部分もありますので、いつまでも自分の失敗に気づかず成長できないデメリットもあります。面倒なことを片づけるのは大変。しかし状態が落ち着くまでの努力は、必ず将来自分にとってメリットがあるはずです。
傷つきたくない
自分が失敗するわけがないと自信を持っている人は、責任転嫁する心理が働きやすく、怒られてショックを受ける自分を守っています。失敗は勉強や仕事、人間関係とあらゆる場面で起こり、その場合、何かしらの罰則や攻撃を受けることになりますよね。
すると気持ちが萎えてしまい、失敗から立ち直れない場合も。そんな可哀想な自分を見たくないので責任転嫁して、他の人にその役を代わってもらいたい願望が強いのです。
自分の間違いを認める方法とは?
「怒られたくないから誰かのせいにしたい」という気持ちは、誰でも経験があるでしょう。責任転嫁は決してよいことではありませんが、自分の間違いを認めるにはかなりのエネルギーが必要。
ではスムーズにミスを乗り越えるためにも、間違いを受け入れる方法について見ていきましょう。
リスクを考えよう
責任転嫁とはリスク回避するのと同じこと。自分のミスを誰かのせいにして、その場はなんとか解決できても、結果的に周囲との温度差が生まれるリスクがあります。
濡れ衣を着せられた人からは距離を置かれ、そんな話は次第に周囲にも広がるでしょう。すると「責任転嫁する人」というレッテルを貼られてしまい、人間関係が悪くなるリスクがあります。
さらに責任転嫁したことが知られた場合、信頼関係もなくしてしまうため、自らまいた種で苦しむ結果に。誰かのせいにしようと思った時は、そんなリスクを考えるようにしてくださいね。
勉強のチャンスだと前向きに考える
責任転嫁とは短期的な対処法なので、もっと長い目で適切な対処を考えてみましょう。間違った時は、一時的に評価が下がるかもしれません。
同じミスを繰り返せば、さらに悪い評価になるのは想定されますので、長い目でミスから学ぶことも大切なのです。自分の間違いを認めるためにはその瞬間だけでなく、長期的なメリットや影響を考えてみましょう。
責任感のない人だと周囲が納得してしまったら、イメージを変えることは難しくなります。
言い訳はしない
間違いが起こった時は、自分がまず気づくはず。「どうしてそんなことになったかわからない」「きちんとやったつもりだけど…」と言い訳をすると、その先には責任転嫁が待っています。
自分の間違いを認めるのは、とても勇気が要ること。しかし言い訳よりも周囲にはよい印象を与えますので、ダメージは最小限に食い止めることが可能なのです。
たとえ上手く他人のせいだと言い訳しても、そこからプラスのことは生まれません。隠すよりもミスを認めてどう改善するか、自分が本当にやりたいことを素直に受け止めてみましょう。
責任転嫁された時はどうする?
責任転嫁は自分が被害者になる可能性もありますので、理不尽な立場になってしまったら次の方法で対処してみましょう。
感情的にならない
やってもいないことを誰かに指摘されるのは、とても悔しいですよね。真面目に努力している人ほど、こんな時は感情的に反抗したくなるでしょう。
責任転嫁された時は相手の心理状況を考えて、まずは冷静になることが大事。誰でも間違いを認めるのはとても辛いことですから、そんな気持ちに寄り添い、相手を励まして間違いを認めてもらうこともオススメです。
論理的に説明する
大きなミスを責任転嫁されてしまうと、自分の評価にも影響してしまいます。そんな時は論理的にミスを説明して、自分の役割を伝えることが大切。
「やっていない」「自分のせいではない」と突っぱねるだけでは、誰の責任なのか判明できません。一度責任転嫁されてしまうと、周りからも扱いやすい人だと誤解される可能性があります。
都合のよい人にならないためにも、冷静に間違いを発見して要因を説明できるよう、あらかじめリサーチ力を身につけておきましょう。
証拠を残しておこう
責任転嫁はいつ起こるかわかりませんので、とくに自分の責任がとても重い場面なら、証拠をきちんと残しておくことが大切。仕事なら自分が担当したことは日付やサインをしておくなど、誰が見てもわかるよう責任者をアピールすることがオススメです。
責任転嫁するタイプの人は、それが癖になっている可能性もあるので、自分が不利になりやすい時はきちんと相手と話し合うこと。その時は第三者を交えておくとよいですね。
まとめ
責任転嫁する心理は、不安なことに対する苦手意識があるからなのでしょう。注意されるのは楽しいことではありませんが、失敗から学ぶことはずっと忘れないように、ネガティブな印象を受ける出来事こそ、自分を成長させるよいチャンスになるはず。
責任転嫁はしない、されない、そんな確立した自分の芯の強さを身につけていきませんか。