上場企業への転職ガイド・ワンランク上を目指す際に準備したいこと
上場企業への転職を成功させたい場合、事前に知っておきたいことがあります。上場企業は人気があり、転職市場ではハードルが高い傾向にありますので、自分の能力をきちんとアピールするためにも、上場企業向けの転職活動を考えてみましょう。
そこで今回は、上場企業への転職について徹底的に理解を深めるポイントをご紹介します。
上場企業に転職するメリットとデメリット
上場企業は知名度もあり、将来性も高く、転職先として考えるにはふさわしい理由がありますが、逆にデメリットも理解しておかないと後悔することもあるかもしれません。まずは上場企業に転職するメリットとデメリットについて見ていきましょう。
上場企業とはどんな会社?
上場企業というのは、公に自社の株式を誰でも売買できるよう公開している企業のこと。株主から資金を調達して、会社経営や運営が成り立っていることが特徴です。
一例として、東京証券取引所で株を発行している東証1部上場企業、東証2部上場企業などがあります。上場企業でも1部は2部よりも厳しい審査基準をクリアした企業で、最近はベンチャー企業向けのマザースという市場もあります。
株を売買できる企業とは、それだけ会社の情報を公開するよう透明性があるともいえるでしょう。
メリットについて
上場企業になると、世界の投資家が株の売買を行う対象になりますので、知名度が高くなるメリットがまずあります。投資家を保護するために上場企業として許可するかどうか、事前の厳しい審査をクリアしていますので、転職先として安定感を抱く人が多いのは納得。
たとえば企業の財政状態や収益力がよい、企業の継続性や事業活動が安定的に行われていること。また上場企業は資金調達が円滑なため、人材採用の際も優秀な人が集まる傾向にあります。
上場企業になるためには、利益だけでなく社内の健全性も審査されていますので、整備された社内環境があるといえるでしょう。人事制度が充実しているため、賞与、給与、評価などの基準が明確であることは働く人にとってメリットになります。
デメリットについて
上場企業はベンチャー企業も含まれるように、必ずしも知名度がある大企業とは限りません。企業内容の開示が上場企業に求められるので、株主に安心してもらうため、企業の今後の方針や実績といった数字の管理は厳格に行う傾向にあります。
そのため企業として新たな挑戦をするのが抵抗になる場合もありますので、株主の思いが優先される会社もあるでしょう。またデメリットとしては、優秀な人材を集めることを目的としているため、社内競争が激しい点や就職の際に採用されるのが難しい環境があることも考えなければなりません。
上場企業に転職する際に準備すること
上場企業なら、優秀な仲間と競いながら自分のキャリアアップのチャンスも増えるでしょう。しかし応募者のスキルや経験値は高くなる傾向にありますので、転職を成功させるためには次のポイントを意識してください。
上場企業だからと安心しない
上場企業とはいっても、あらゆる種類の企業がありますので、絶対に安定した仕事に就けると油断はできません。老舗のような上場企業は歴史もあり安心ですが、上場企業の中には急速に大きくなった会社もありますので、今後どのような展開になるか判断材料が少ない可能性も。
人手が足りず、過酷な職場環境が待っている可能性もありますので、上場企業へ転職する際は「上場」という点だけを判断せず、企業のリサーチをきちんと行っておきましょう。
大切なのは企業のイメージではなく、実際の労働環境や待遇など、自分が理想的に思う職場なのです。
非上場企業も対象にする
求人広告を見る際に、まず上場と非上場を分けるよりも、総合的に自分の希望条件に合うかどうかを判断してみましょう。いくつか気になる企業が見つかったら、その中で上場企業を優先すること。
上場企業に転職したい人はとても多く、企業側も優秀な人材を採用するために求人広告にもお金をかけていますので、とても目につく情報が多いでしょう。
そのため人気が高いので、早期に採用者が決まってしまう可能性はあります。同じ条件の求人でどちらに応募するか迷った時は、非上場よりも上場企業を優先することはタイミング的にもあっているといえます。
転職市場の実態を把握しておく
上場企業に転職するのはサクセスストーリー。ワンランクアップして自分を高めるためにも、挑戦する価値はあります。しかし実現にはかなりハードルが高いことも事実なので、上場企業の求人を徹底的に探すだけでなく、まずは転職市場の実態を把握することも必要です。
例えばその企業の業界動向がどうなっているか、売り上げが低迷する業界だと求人活動はあまり積極的に行われていない可能性があります。
冷静な対策を講じて転職プランを考えることが、上場企業に転職するコツになるでしょう。
企業のニーズに合っているか
上場か非上場に限らず、希望する企業のニーズと自分のスキルや経験がミスマッチだと失敗するリスクがあります。有利に転職活動を進めるためには現実的な方向性を考え、そこから将来の自分像をイメージすることが大切。
企業のニーズに無理して自分を当てはめるよりも、力を充分に活かせる転職先を見つけることが大切なのです。上場企業は魅力的なため、とりあえずどのような仕事でもよいから就職したいと熱望する人もいるでしょう。
しかし将来的に働きやすい環境になるかどうか、活かせるキャリアがないと内定をもらうこともできません。
上場準備中企業を狙う
上場企業への転職はライバルが多く、思うように転職活動が進まないこともあるかもしれません。あまりこだわりすぎてしまうと、無職の期間も長くなる可能性がありますので、その場合は上場準備中の企業を狙うこともコツです。
高い能力がある人でも、上場企業への転職は決して簡単ではありませんが、上場準備中の企業なら自分のキャリアが積めるうえに企業と共に成長体験を得られることも可能です。
上場企業で活躍する夢を叶えるためには、あらゆる方向からアプローチができることを知っておきましょう。
企業研究をする
転職を成功させるためには、企業のリサーチは欠かせず、面接で熱意をアピールするためにも応募先のことはできるだけ学習しておく必要があります。
企業研究の点から考えると、上場企業は透明性が高く公開されている情報も多いので、リサーチしやすいことが特徴。扱う商品やサービス、関連事業など、事前にわかることは積極的に調べてください。
ただ知名度だけで応募する人も多いため、優秀な人材であることを知ってもらうためには、きちんとした丁寧な準備が必要なのです。
意欲があるかどうか
上場企業は福利厚生も充実し、中小企業よりも給与が高い企業も少なくありません。それは優秀な人材を集めて、優れた労働環境を保つために心がけているためで、ハイレベルについてこられる人材であることが求められます。
積極的に働く人、チームワークを大切にできる人、またストレス体制が強いことも求められるでしょう。上場か非上場に関係なく、企業が好む人材を意識することが、転職を成功させるコツですね。
まとめ
上場企業に転職したい時は、転職エージェントに相談して、上場企業を優先的に探してもらうことも方法です。安定したキャリアアップが望める上場企業ですが、メリットとデメリットがあるので、本当に自分に合うかどうか、こだわらずに転職先を考えることも大切ですね。