転職は何歳までが有利?中高年の転職で注意したいことはなにか
転職は何歳まで有利にできるのでしょうか。若い人のほうが企業カラーに染めやすく好まれる傾向がありますが、中高年の転職は違ったレベルになりますので、経験だけで年齢をカバーできるのか、そんな不安を抱いている人もいるでしょう。
そこで今回は、転職は何歳までがよいか、中高年の場合で注意したいことをご紹介しますね。
転職は何歳までが有利か?
転職する場合は、できるだけ早いほうがよいというのは、なんとなく誰しも一般常識として持っていることかもしれませんが、正確には「何歳」が限度になるのでしょうか。まずは転職と年齢の関係について見ていきましょう。
35歳が限界という説
転職は何歳までが有利になるかということを考えた際に、よくいわれるのは「35歳転職年齢限界説」です。なぜ35歳なのかというと、60歳定年まで計算すると25年を切ってしまうことや、キャリアアップしにくい年齢に突入するためと考えられています。
35歳となると、女性はそろそろ出産も考える年齢。男性なら働き盛りで、会社にとっても中堅の重要な存在です。転職するなら早いほうがよいというのは、企業にとって若い人のほうが育成しやすく、さらに長期間雇用できることが魅力。体力もあり、新しいことを吸収するのも早いでしょう。
しかし35歳までなら即戦力になりますし、自分のキャリアもある程度築かれているので魅力的な人材に見えることから、35歳までが限界といわれているようです。
28歳と32歳をリミットにする企業もあり?
転職は何歳までが有利なのか、求人広告を見ると転職市場が求める年代層はなんとなく見えてきますよね。年齢を意識せず採用する会社も多く、40代、50代でも転職を成功させる人はいます。
しかし気になるのは、28歳と32歳とリミットにしている企業があるという話。20代は社会に入り自分自身を探索する時期で、30代は専門性を確立する時期です。
そう考えると、28歳は30代を迎える前に自分のキャリアプランを見直す確率が高くなります。また数年の社会経験を積んでいる年齢で、企業からはニーズが高いことも理由。28歳までを目安にして採用する企業は存在するようです。
32歳は職場の上司が年上になる限界年齢。役職につく人は30代前半からどんどん増えていきますので、中途入社のスタッフが上司よりも年上になるのは仕事がやりにくい場合も。そんな視点から考えて、32歳をリミットにすることもあるかもしれません。
求人広告に年齢制限がないのはなぜ?
20代がいい、30代がいいなど、企業が年齢を基準にして採用することは実際にありますが、それならなぜ求人広告に年齢制限を記載しないのか疑問になりませんか。
そのほうが採用ステップも手間が省けますし、有利に転職活動しやすくなります。年齢制限については、2007年の雇用対策法により年齢に関係なく、誰でも均等にチャンスを与えるべきとして、年齢制限禁止が義務化に。
そのため企業が具体的に求める年齢がわからないまま応募することになってしまいます。年齢制限がないということは、中高年にとってはとてもありがたいところでしょう。
例外として認められるのは、定年年齢を上限として期間の定めのない労働契約が対象になる場合、長期的にキャリア形成を図る場合などがあります。
実際は何歳まで?
転職は何歳までが有利なのか、年齢ではっきりと線引きはできませんが、35歳限界説は転職がブームになっていた2006~2007年頃の話で、現在は転職者の25%以上は35歳以上の年齢層が占めているといわれています。
少子高齢化社会は転職市場も年齢が高くなる傾向がありますので、よくいわれる35歳が限界ということは意識しなくてもよいでしょう。
ただし年齢を一切気にしないことではなく、転職を意識し始めたら少しでも早く計画を立てるべきなのは何歳でも共通しています。
企業が求めることは何か?
転職は何歳までにするべきか、スキルを身につけたほうが有利になると考える人もいるはず。期待通りに転職を成功させるには、年齢に振り回されずに自分のスキルを大切にすることはとても大きな要素になります。では企業が求めていることは何か、考える際のポイントを見ていきましょう。
20代に求めること
20代の転職者に企業が求めることは、ある程度のビジネススキルなど、新卒で入社してから数年間に身につけた経験や知識が豊富な人が好まれます。
新卒でたった半年働いただけでは、若いからというだけで転職は上手くいきません。20代でもキャリアチェンジを考える人などは、企業にとってよい人材資源になるでしょう。
若い人を求める企業は新卒採用ができなかった、または新卒から教育する時間がない場合がよくあります。社風に早く馴染んでもらうためにも、20代後半をターゲットにすることがあるのです。
30代に求めること
転職は何歳までが有利か、考える際に線引きされやすい35歳。しかし実際は30代後半も、企業がターゲットにして採用しているケースはたくさんあります。
求めることは即戦力、実務経験やスキル、チームのマネジメント、また新人育成のノウハウを知っているなど、社会人としての経験だけでなく自分の能力を発揮できるかどうか。
リーダーとしての資質を問われることもありますので、ただ自分の仕事をするだけでなく、現場での存在価値も必要になるでしょう。
中高年の転職で注意することについて
転職は何歳でも可能ですが、やはり中高年となると色々な懸念を持つ企業はあるようです。そこで転職する際に中高年が意識するポイントをご説明しますね。
中高年を好まない企業の理由とは?
転職事情は、採用担当者により各年齢層の評価の仕方が違うため異なります。若い人に対しては将来性を期待して採否を判断するものですが、40代や50代にはあまり期待できないでしょう。
中高年の転職は実績が判断基準になり、即戦力になるかどうかがポイント。そのため即戦力を求めない企業にとっては、中高年の応募者はあまり魅力的ではないのです。
また年齢が高くなると、企業はそれに応じた給料を払うためコストがかかりますので、若い人のほうが費用対策効果はあるということ。さらに日本の年功序列型社会は、中高年の転職者が職場にやってくるとやりづらい雰囲気も無視できないでしょう。
また経験と実績を積んだ人は固定観念が強くなり、柔軟に対応できない可能性がありますので、そのようなイメージだけで企業が避けてしまうことはあるかもしれません。
条件にこだわりすぎない
経験も実績もあるからという自信は、転職活動で上手く活かさないと理想だけが高くなり、希望条件を満たす求人が見つからなくなる可能性があります。あまり条件にはこだわらず、絶対に譲れない部分を満たす企業を探してみましょう。
企業が求めることを理解する
企業が即戦力を求めているのか、それとも新しい風を欲しがっているのか。自分のスキルとマッチングさせるためには、無理やり売り込むよりも相手が欲しがるものを把握しておくことが大切です。
計画的にゴール設定しよう
中高年の転職活動は長期化するケースも少なくありませんので、活動を開始したらゴールを設定し、計画的に転職活動を続けましょう。年齢がデメリットになることはあるかもしれませんが、それでも中高年の人が欲しいという企業はあります。
経験者、リーダー、専門性の高い人など、自分の武器を上手に使ってゴールに向かいましょう。
まとめ
転職は何歳まで有利になるか、はっきりした年齢の壁はありませんが、企業が求めることと自分のスキルが合えば、何歳でも転職は可能になります。まずは転職の目的を考え、自己分析から始めてみませんか。