嘱託社員の意味とは?働き方の違いを知ろう

嘱託社員の意味とは?働き方の違いを知ろう

嘱託(しょくたく)社員という言葉をご存知でしょうか。聞いたことはあるけれども、漠然としか分からない人も多いでしょう。

嘱託社員は、正社員・契約社員・派遣社員・パートタイマーなど、様々な雇用形態のひとつです。嘱託社員についての意味と、働き方の違いについて詳しく解説していきましょう。

 

嘱託社員について

嘱託という言葉には「仕事などを頼んで任せる」との意味があります。嘱託社員に置き換えると「仕事を頼んで任せる社員」となりますが、今ひとつピンときませんよね。

嘱託社員以外でも当てはまってしまいます。では、嘱託社員について詳しくみていきましょう。

 

嘱託社員の意味

よく定年になった人の挨拶などで「今後は嘱託としてお世話になります」などと、聞かれたことがあるのではないでしょうか。

嘱託社員の意味として最も一般的なのは、定年退職を迎えた人を再雇用し、正社員から非正規社員になる時に使われる雇用形態です。

最も一般的という表現をしましたが、実は嘱託社員とは法令などで明確に定められている定義はないのです。したがって、会社によっては年齢に関係無く、非正規雇用の形態のひとつとして使われているケースもあります。

また、医師や弁護士などの高度な専門性を持った特別職としての嘱託契約という雇われ方も中にはあります。

最も一般的な定年退職後の再雇用としての意味合いの嘱託社員をメインにして、さらにご説明していきましょう。

 

契約社員や派遣社員との違い

非正規雇用という区分では同じである契約社員や派遣社員と、嘱託社員の違いはどこにあるのでしょう。

まず、契約社員と嘱託社員の違いですが、有期雇用契約の意味では同じなので、違いは会社ごとの定義によるところもあります。

一般的には、契約社員は正社員と同様にフルタイムで勤務するケースが多いのです。一方の嘱託社員はというと、短時間勤務や非常勤勤務(週に5日未満)という契約が多く、定年後の再雇用が一般的です。

また派遣社員は派遣会社が雇用主で、間接雇用というところが大きな特徴となります。嘱託社員や契約社員は直接雇用なので、雇用主が違うのです。

 

パートタイマーとの違い

嘱託社員は非正規雇用で、短時間勤務や非常勤勤務のケースが多いとなると、パートタイマーとの違いはあるのでしょうか。会社の定義次第ですが、似ている雇用形態と言えるでしょう。

パートタイマーは定年前の時点での短時間勤務をする場合で、嘱託社員は定年退職後再雇用という定義づけをしている会社が多いもの。

パートタイマーと違って、嘱託社員は必ずしも短時間や非常勤勤務ではなく、フルタイムの契約であることもあります。

またパートタイマーは時給制で、嘱託社員は月給制という会社が多いのも違いのひとつです。

 

嘱託社員の給与や待遇

嘱託社員は正社員でいた人が、定年退職後に会社に再雇用で残ることが一般的であるため、このケースでの給与や待遇について説明しましょう。

定年退職時に退職金が支給され、正社員ではなくなります。再雇用となり一般的には嘱託社員になると、正社員時の60%~70%程度の給料になると言われています。

勤務時間や勤務日数など、どのような嘱託契約を会社と結ぶかにもよります。また定年で役職も外れることがほとんどですので、管理職手当などの支給もなくなります。

会社にとっては経験豊かな社員を継続して、正社員より安く雇用できるメリットがあります。なかには会社にとって比類なき能力や実績を評価されて、特別待遇での嘱託社員契約を結べる人もいるかもしれません。

 

嘱託社員として働くメリットとデメリット

嘱託社員の意味とは?働き方の違いを知ろう嘱託社員として働くメリットやデメリットには、どのような内容があるのでしょうか。定年退職を迎える時期が近づいてくると、第二の人生をどのように過ごそうかといろいろと思い描くものです。

定年退職後の人生を送るためのひとつの選択肢に、嘱託社員があるという人は多いですよね。では、メリットとデメリットについて整理してみましょう。

 

嘱託社員として働くメリット

正社員として働いてきた愛着のある会社で、定年後もこれまでの経験を活かして、気心が知れた仲間と働ける安心感が、嘱託社員の一番のメリットでしょう。

会社の中で違う部署で働くことになったとしても、再就職先を探さなくて済むので助かると思う人も多くいます。

正社員時の役職や業績といった重圧や忙しさから、多少なりとも解放されるでしょう。労働時間や勤務日数も、契約次第で余裕を持った働き方が可能です。

ワークライフバランスを、理想に近い形にできるかもしれません。これまで日頃の忙しさからなかなか出来なかった物ごとに、集中して取り組めるケースもあります。

豊富な経験で培ったノウハウを、後進に引き継ぐことに重点を置いてほしい会社も。転勤が多い会社では、嘱託社員になって転勤族から解放される可能性もあります。

 

嘱託社員として働くデメリット

嘱託社員として働くことで、第一線から外れることもあり、収入が減少する契約となるケースが多いのでデメリットと言う人もいます。

経験や能力を活かして、まだ第一線で働きたい人は物足りなさを感じたり、モチベーションを保つのが困難になったりする場合も。

これまで部下であった人が上司になるなど、プライドを持ってやってきた人ほど環境の変化に戸惑いや、受け入れ難いと感じるかもしれません。

嘱託社員は有期雇用になるため、契約期間が満了すると継続できるのかの心配もあります。しかし、定年後再雇用の嘱託社員の場合は、高齢者雇用安定法で希望すれば65歳までは雇用継続が義務化されています。

 

嘱託社員以外の働き方を希望した場合

嘱託社員の意味とは?働き方の違いを知ろう嘱託社員として働くことのメリットやデメリットを考慮した上で、嘱託社員以外の働き方を希望する場合があるでしょう。まだ住宅ローンが残っているのでフルタイムで働き、高収入を得たいというケースも。嘱託社員以外を希望する場合についてご紹介しましょう。

 

正社員の雇用について相談をする

定年前の場合は正社員として雇用してもらえないか、定年後の場合は正社員と同等の条件にてフルタイムで雇用してもらえないかを会社と相談してみましょう。

経験や能力などの評価によっては、通常の嘱託職員よりも好条件での契約を結ぶことができるケースもあります。まだ十分に第一線でやれる体力や気力があると、積極的にアピールしましょう。

 

転職エージェントに登録をする

会社に交渉しても嘱託社員以外の回答が得られない場合、転職をするという選択肢もあります。この場合は、転職エージェントに登録することをおすすめいたします。

転職エージェントは、転職を取り持つためのプロです。経験してきたキャリアや培ってきた能力・保有している資格などをもとに、適した職種や会社をマッチングしてくれます。

まだ転職してでも、バリバリと仕事をしたいという意気込みがあるのであれば、転職エージェントを利用してみましょう。

個人で転職先を探すよりも、高確率で良い案件が見つかり、契約完了まで交渉などのサポートを受けることができます。

 

嘱託社員の意味を理解して働き方を見直そう

嘱託社員は非正規雇用で有期契約であるもの。一般的には定年退職後の再雇用のケースに多く用いられますが、法令上の定義がなく会社により定義が異なることもあります。

したがって、嘱託社員の契約を提示された場合には、契約する前に契約内容をしっかりと確認し理解しましょう。嘱託社員は安定した雇用ではないケースが多いので、必要に応じて雇用形態・働き方を見直してください。

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