タレントマネジメントとはどんな仕事をするの？内容や求められるスキルについて
タレントマネジメントとは、実際にどのような仕事をしているのか、興味を持ったことはありませんか。ここ数年でとても注目されるようになっている仕事で、意外と知られていない部分も多いタレントマネジメント。
そこで今回は意味や仕事内容、求められるスキルについて徹底的にご解説しますので、転職を検討している人はぜひ参考にしてくださいね。
タレントマネジメントとは何か？
タレントマネジメントは芸能関係の仕事？と誤解する人もいるかもしれませんが、アメリカが始まりの考え方のひとつで、近年日本企業でも積極的に取り入れていること。では詳しい意味をわかりやすくご解説しましょう。
タレントマネジメントについて
タレントマネジメントというのは、それぞれの労働者が持っているスキルや能力を「経営資源」と捉えて、育成、配置、採用する人材マネジメントのことです。
企業の将来を左右するのは基盤となる「従業員」。個々のパフォーマンス力が最大になれば、組織としてもさらに有効な戦力が組めるということです。
かつては優秀な人材だけを対象にして考えられたタレントマネジメント。最近では全社員を対象にしている企業もあるようですね。キャリアとしては人材に関わる仕事になりますので、会社の中でも重要な位置づけになるでしょう。
人事戦略は企業ごとに違った目標や課題があり、それぞれ特徴のあるタレントマネジメントを行っています。ここでいう「タレント」というのは、マネジメントの対象になる人材のこと。
そもそもタレントという英語は、才能や素質という意味がありますので、隠された個人の才能を引き出す考え方ともいえるでしょう。
企業が注目するタレントマネジメント
タレントマネジメントとは、企業の人事制度にも影響を与えるほどとても大切なことで、多くの企業が注目して導入を考えているといわれています。
日本は終身雇用制で年功序列の考え方が昔から続いており、人材の流動性が少ないことが特徴。社員が会社に合わせて働くのが一般的な時代から、今は人材を活かして会社を動かすことを重視する傾向になってきました。
企業にタレントマネジメントが必要とされる理由は、社会的意義など個々の価値観の多様化が挙げられます。プライベートと仕事を分けて人生を楽しみたい人も多くなっていますので、バランスをとるためにも企業の存在意義を考えるチャンスになるでしょう。
また近年経済市場やビジネス社会は急速に変化していますので、その流れに合わせたスピーディな人材活用が重要なのです。
何よりも日本が抱える人口減少は、企業の採用が年々厳しくなる背景です。労働市場の変化に対応するためにも効率的な教育や人材配置は、労働者の定着率を高めるメリットにもなるのです。
労働者への効果について
タレントマネジメントとは、企業がさらに発展するための人材戦略だけの意味があるように見えますが、「タレント」にあたる労働者にとってもあらゆるメリットがあります。
自分の特性やスキルに合わせて、企業が育成や目標設定を行ってくれるので、さらに必要性を感じ企業に魅力を抱くようになること。従業員と企業間の信頼関係が厚くなると、お互いにやりがいを得やすくなるでしょう。
さらに従業員が企業へ貢献する働き方が定着すると、結果的に長期的な顧客とのよい関係も築かれます。タレントの質がアップすれば、仕事の質が高まり顧客も満足。
劇的な売上アップにつながるかは企業の取り組み次第ですが、デメリットになることはないと考えられています。
タレントマネジメントに関する仕事について
タレントマネジメントとは、人事の仕事をさらに今の時代に合わせて改良した考え方で、個人を伸ばしながら企業の利益を高めることが目的。ではタレントマネジメントに関わる仕事に興味がある人必見の情報をご紹介します。
人事部
タレントマネジメントとは、人事部がメインとなり実践するシステムや取り組み、人事は組織を活性化させるために人材を採用し教育、配置する部署。
年間の採用計画を考え年単位で仕事をするため、長期的なビジョンが求められるでしょう。社内研究でさらに従業員を磨き上げることも人事の仕事。
個々の能力を活かせるように適所に配置するためには、人事異動や配置先の決定も行います。タレントマネジメントは、従業員の人生にも影響を与える大切なことでしょう。仕事のやりがいを見つけてもらうサポートや、一人一人の魅力を発掘する面白さがあるといえますね。
労務部
労務部は人事部と若干異なる部分があり、労働者が安心して働く組織作りがメインです。たとえば福利厚生業務や労働環境の整備、給与計算など、従業員にとって現実的に気になる部分。
とくに給与計算はシステム化されていても複雑な部分がありますし、労働者のモチベーションになることなので大切です。企業と労働者間のトラブル対応も労務の仕事になるので、タレントマネジメントを進めるうえでもなくてはならない存在です。
専門的な知識が必要な業務もありますので、自分の経験やスキルに直結するため、やりがいを得やすいかもしれません。
タレントマネジメントに向く人は？
タレントマネジメントに関わる仕事は、商品やサービスの販売といった企業に直接的に利益をもたらす仕事ではないかもしれませんが、間接的に利益を生むためにタレントを磨き企業目標を達成させる大切な仕事です。
向いているのは会社を経営的な視点で考えられる人。自分の勤務する部署だけでなく、全体的に各部署がどのような仕事を担当しているか理解して、適した人材を配置することが求められます。
またコツコツと仕事を続けられる人や、正確な仕事ができる人もタレントマネジメント関連業務に求められる人材。労働基準法など、法律に関する最新の情報を常に意識しておくことも大切です。
タレントマネジメントで有利な資格とは？
タレントマネジメントに興味がある人や、転職を検討している場合は、有利になる資格がいくつかありますのでぜひ参考にしてください。
人事総務検定
人事や労務管理など、総合的な人事知識を習得できるもので、3級と2級の資格取得は認定講座を修了するだけでとても気軽に挑戦できる検定です。
受験ハードルは低めなので、人事部の経験がない人ならぜひ取得しておきたいもののひとつ。またこの検定は、将来的に社会保険労務士を目指す人の最初のステップにもなるでしょう。
2級取得すると人事総務エキスパートと名乗ることができるので、タレントマネジメントに関する仕事をしたい人は必見ですね。
ビジネスキャリア検定
タレントマネジメントとは、人材開発を総合的に行う取り組みなので、この検定は企業の人事目標を把握するためにも有効です。試験は「職業能力評価基準」という厚生労働省が定めるルールに準じ、8つの分野、43試験から自分の職種に合わせて選択。
「人事、人材開発、労務管理」や「営業、マーケティング」「経営情報システム」などが8つのうちに含まれています。
産業カウンセラー試験
ストレス社会で増えている精神的なトラブル。職場はストレスの根源になりやすいため、企業としてのメンタルケアへの取り組みは今後も重要視されるでしょう。
産業カウンセラー試験は心理に関する民間資格で、従業員の人間関係の悩み、ストレスなどメンタルヘルスケアに関する知識を身につけるもの。
受験資格は大学院で心理学や人間科学などの学位を保持していることが条件になりますので、ホームページで確認しておきましょう。
まとめ
タレントマネジメントとは、人材の価値をさらに深く追求して活かすこと。そのためには人間を分析できるスキルが必要かもしれません。やりがいのある職場を目指す人は、キャリアアップとしてもぜひ検討してみてくださいね。
