気兼ねなくの意味を正しく理解してビジネスシーンで使うコツ
気兼ねなくという言葉の意味は、少し違った解釈をしている人もいるようです。ビジネスシーンでは、何かを伝える際の言葉遣いや文面は、社会人のマナーとして大切です。
そこで今回は「気兼ねなく」の意味や使い方について、詳しくご解説していきましょう。
気兼ねなくの意味と例文について
プライベートでもよく使うことがある「気兼ねなく」という言葉。意識しないで、さまざまなシーンで聞かれたり使われたりしています。誤った使い方をしないために、正しい意味について見ていきましょう。
「気兼ね」とはどんな意味がある?
日本人はあらゆる場面で他人に気を遣い接することがあり、とくにビジネスシーンは失敗が許されないため、相手との関係によっては言葉遣いには慎重になりますよね。
欧米文化と比較すると、日本文化は相手に必要以上に謝ったり、気を遣ったりする場面が多いといわれています。「すみません」と何気なく言ってしまうシーンがよくあるように、日本は他人に対して気を配ることが文化といえるでしょう。
そのような背景で生まれた「気兼ね」という言葉は、相手に気を遣い遠慮すること。本当は自分はこうしたいけれど相手のためにやらない、そんな心遣いが「気兼ね」の根底にある意味なのです。
気兼ねなくの意味について
気兼ねなくの意味は、他人に気を遣う際の表現で「気軽に」「遠慮なく」という言葉と同じ意味があります。気兼ねとは遠慮という意味がありますので、気兼ねしないとは「遠慮しない」ということ。
「なく」というのは否定を意味しますので、遠慮なく、という意味の言葉になります。
使い方について
気兼ねなくの意味を相手に伝える際には、動詞と組み合わせて文章にすることがあります。相手に遠慮してほしくない、という配慮をする場合に使用されています。
たとえば「気兼ねなく言ってください」「気兼ねなくお申し付けください」「気兼ねなくご相談ください」など。ビジネスシーンではお得意先や上司など、自分より立場が上の人に丁寧に話す際に使用することがよくありますよね。
気を許すという意味
気兼ねなくという意味ですが、言葉を少し変えると違う意味として使用できます。「気兼ねなく」を「気兼ねない」にすると、たとえば「気兼ねない友人です」「○○さんは気兼ねない人」など。気を許している関係がある場合に、気兼ねないと表現できます。
ビジネスでの使い方例
「気兼ねなく」をビジネスで使う場合の例文をご紹介しましょう。大切なミーティングや接待などで使うことがよくあります。
「お気兼ねなく○日のプレゼンにぜひお越しください」
「もしわからないことがありましたら、お気兼ねなくご連絡ください」
「ご要望がありましたら、お気兼ねなくお申し付けください」
気兼ねなくに似た言葉について
同じような意味を持つ言葉もありますので、シーンによって使い分けてみましょう。類語はビジネスシーンや日常会話でもよく使われています。
「気軽に」という表現について
気兼ねなくと同じ意味を持つ「気軽に」という言葉、このほうが使いやすいと感じる人もいるでしょう。「気軽に」は気兼ねなくの類義語で、気を楽にしてという意味があります。
「気兼ねなく」よりも少し柔らかい言い方になりますので、ビジネスシーンなら親しい関係の上司や付き合いの長いお得意先などにも使えます。
気軽にでは少し軽々しいと思う場合は「お気軽に」と接頭語をつけて敬語表現に変えるのも可能です。たとえば「気軽な仲間」「気軽に行ける場所」、またはビジネスで使う場合には「お気軽にいつでもお申し付けください」と言うこともあります。
「遠慮なく」について
遠慮なくはとても幅広く使える言葉で、他人に対して行動や言動を控えめにせず、自由にしてくださいと気を遣う意味があります。
また相手だけでなく、自分自身に対して使うこともあるでしょう。たとえばお客様にお茶とお菓子を出して「遠慮なくお召し上がりください」と促す場合。
逆に自分がお客の場合は「遠慮なくいただきます」と使います。敬意を表したい場合には「ご遠慮なく」と、もっと丁寧に使うケースもあります。
「心置きなく」はどんな意味?
「心置きなく」は「心配せずに」「遠慮せずに」という意味がある表現です。気兼ねなくの類語ですが、もっと相手を落ち着かせる時にも使える言葉です。
たとえば「心置きなく仰ってください」「心置きなく語り合う」「心置きなくお休みください」など。なくとは「無く」という意味がありますので、他者に対して気兼ねしないよう伝える時に使用します。
気配りのマナーについて
ビジネスではプライベート以上に、相手への気配りが必要です。「どうぞ」というだけよりも「気兼ねなくどうぞ」と言われたほうが気持ちは楽になりますよね。このような気配りは、いくつかのポイントをおさえてビジネスで活かしましょう。
仕事ができる人は気配り上手
「気配り」というのは相手がやりたい、やってほしいと思うことを先回りして行動することです。気配りは自分中心に考えているとできないことで、相手の仕草や行動を観察していないとできません。
また気配りしていると相手に伝えるためには、言葉や態度に出してアピールする必要があります。たとえば汗をかいて室内に入ってきた人にそっとタオルを手渡したり、冷たい飲み物を提供したりすること。
相手が「暑い」と一言伝えなくても、気持ちを察するのが気配りです。気配りができる人は仕事ができるのは、この観察力が優れているため。
自分が置かれた環境、相手の考えていることを読む力があるため、気持ちよく仕事ができる相手になります。また気配りは相手を思ってやることなので、時には自分に厳しく我慢しなければならない場面もあるでしょう。言葉以上に難しい「気配り」は、上手にできる人ほど余裕があるといえます。
積極的になる
ここで何かやってあげるべきと思っても、積極性がない人は気配りが不足する場合もあります。やるべきことがわかっていても、頭の中をよぎるだけでは気配りにはなりません。
必要なのは行動力と積極性。誰かやるだろう、やらなくてもいいだろうという迷いを捨てて、積極的に相手に近づくのがコツなのです。
たとえば紙を一枚手にしている人が、何か探している素振り。ペンを探していると考えられます。一歩先を読み、ここでスッとペンを差し出すには勇気が必要です。気配りは何度も積み重ねると、上手になり自然と行動力へとつながるでしょう。
ビジネスシーンでできる気配り
気配りをしたほうもされたほうも、とても気分がよく嬉しくなります。ビジネスシーンでは人柄をアピールするのも大切なので、気配りできる人になり仕事をスムーズに進めるのも必要です。
ビジネスマナーの基本でもある気配りは、あらゆるシーンでできるもの。たとえば上司だけでなく同僚、会社に出入りする業者など、誰にでもきちんと挨拶するのは気配りです。
また物を手渡す際、たとえばハサミを渡す際に刃先を自分が握るのは、相手を傷つけないマナーと気配り。同じく書類を相手が読みやすい方向で渡す、電話に出られないほど忙しい人の代わりに電話応対してあげるなど。
ビジネスマナーは相手のことをよく考えて、もし自分だったらと視点を変えてみると、気配り精神が生まれてきます。
まとめ
気兼ねなくの意味を理解して、相手と自分の関係をよりよく改善してください。相手を思う気持ちは、ビジネスシーンでも大切なもの。気持ちが伝わる言葉遣いを普段から意識してくださいね。