育児休暇は男性もとるべき?いつから期間はどれぐらい可能なの?
育児休暇は男性も現実的にとりたいことがあるはずですが、改革が進んでいるとはいえ、日本文化では男性が育児休暇をとりにくい風潮がまだありますよね。
欧米では夫婦共に育児休暇をとることもよくありますが、日本の欧米化はまだそこまで到達していないかもしれません。少子高齢化の日本。育児に関する考え方は色々です。
そこで今回は、育児休暇を男性がとる場合や注意したいポイントについて徹底的にご解説しましょう。
育児休暇を男性がとるメリットはある?
育児休暇は男性がとるべきなのか?というのはよく議論されるところですが、新入社員の男性を対象にしたアンケートでは8割が育休を希望しているとの回答があります。
「イクメン」という言葉があるように、近年男性の育休取得は注目されていますが、どのようなメリットがあるのかご紹介します。
中長期的なキャリアプランが考えられる
子供のために給与アップしたい、もっと家族に貢献したいなど、プライベートな理由は男性の働くモチベーションにもつながります。育児休暇がとれない会社だと、自分の人生プランにも影響が出ることも考えられますよね。
その点育児休暇を男性がとるメリットとしては、プライベートを踏まえた中長期的なキャリアプランが立てられること。ライフステージの変化ごとに転職するのは大変なので、現職でさらにキャリア構築が可能になります。
夫婦のコミュニケーションが活発になる
育児を一人で任されている女性はストレスが溜まりやすく、家庭内の不和につながる可能性があります。育児休暇を男性がとることは、パートナーのサポートができるためコミュニケーションがとりやすくなります。
家庭が円満であれば仕事にも打ち込みやすくなり、よいサイクルが生まれるでしょう。とくに産後の忙しい時期は家事を手伝うだけでなく、精神的なサポートでお互いの存在意義を感じられる時なのです。仕事の理解を深めてもらうためにも、できるだけ育児休暇は検討したいですね。
父親としての責任感が湧く
仕事が忙しいと、子供の寝顔しか見られないということがよくありますよね。育児休暇を男性がとるメリットは、子供と過ごす時間が確保でき、父親としての責任感が実感できることです。
育児や家庭のことを全て奥さんに任せていると、次第に距離感も生まれてしまいますよね。その点仕事とプライベートのバランスを整えられることで、さらに自分に自信がつくかもしれません。
企業にもメリットあり
育児休暇をとりたいのにとりにくい会社があるのは事実。しかし企業側にとっても、男性が育児休暇を取得することはいくつかのメリットが考えられます。
まずひとつはプライベートとのバランス意識が高くなり、生産性が向上すること。結婚や出産によりワークバランスを変えられないと、人材が他に逃げてしまう場合もあるでしょう。
さらにイクメンをサポートする企業は、働き方改革を積極的に推進しているよい企業として認知されるため、採用や企業の売上にもよい影響を与えます。
男性の育児休暇制度について
育児休暇を将来取得することを想定し、どのような内容なのか知っておきたい大切なポイントをご説明していきます。
育児休暇とは何か
育児・介護休業法で定められている「育児休暇(育児休業制度)」。原則では、1歳に満たない子供を養育する従業員が会社に申し出て取得できる休暇制度です。
取得するにはいくつかの条件はありますが、よいところは男女共に取得できること。育児休暇は父母共に育児休業を取得する時は、子供が1歳2か月になるまでの間1年間取得が可能です。
新しい育休制度について
男性がもっと育児休業を取得できるように定めた法律の改正法が、先日衆議院本会議で成立。男性の育児休業は取得率がわずか7.48%という話があるように、もっと積極的に男性も育児に参加できるよう法律の見直しもされています。
改正法案では、出産日から8週間の間に4週間育休を男性が取得できること。さらに男性がワークバランスをとりやすくするよう、分割して取得できるようになります。
産後直後の4週間は2回に分けられるので、長期休暇が難しいポジションの仕事でも対応しやすくなるでしょう。さらに生後8週間なら、育休取得日数の半分を上限にして仕事することも可能。
在宅という働くスタイルが近年増えていますので、育休中でも仕事ができるという安心感は、さらに育児休暇を男性が取得しやすくなる理由になるでしょう。新しい育休制度は2022年秋にも始まる予定です。
育休の開始時期
育児休暇を男性が取得する場合ですが、開始時期についても事前に理解が必要です。男性の場合は奥さんの出産予定日以降になりますので、勤務先には事前に申告しておくこと。
たとえば出産予定日と実際の出産がずれることはよくありますが、育児休暇のスタート時期は変更できるので安心です。いつから取得するか迷った時は退院直後からがオススメ。
出産という大きな経験をした後、休む間もなく育児が始まります。慣れない作業で精神的にも不安定になる女性は多いので、できるだけ産後すぐにサポートしてあげたいですね。
育児休業給付金について
育児休暇を男性もとるべき理由は給付金があること。「育児休業給付金」というのは、労働者が育児休業中に申請すると取得できるものです。
男性が育児休暇をとっても、企業がその間給料を払ってくれることはほとんどありません。生活面での負担を考えると、給付金がもらえることは精神的にも楽になりますね。
この給付金をもらうにはいくつかの条件があります。まず1歳未満の子供がいるか、雇用保険に加入しているか、育児休暇前の2年間、11日以上働いた月が12か月以上あるか、休業開始前に1か月の賃金8割以上支払われているかなど。
事前にチェックしておきたいことがいくつかありますのでご注意くださいね。気になる支給額ですが、労働者の育児休業開始時賃金日額×支給日数の67%となっています。
社会保険料が免除
育児休業給付受給中は、健康保険や厚生年金については本人及び事業主負担分が免除になりますので、お近くの年金事務所に問い合わせして確認しておきましょう。
会社がとらせてくれない時の対処
育児休暇の男性取得率が低いのは、仕事が忙しいだけでなく会社が柔軟に対応してくれないことも関係しています。もし取得を拒否された場合は、次の方法で対処してみましょう。
労働基準監督署に相談
育児休暇がとりにくいと感じている男性はとても多いようですが、申請されたら会社は拒否できないため、会社とトラブルになる時は労働基準監督署に相談してみましょう。
転職を検討する
男性従業員の働き方を柔軟に考えてくれない企業は、売上重視で社員の立場になっていない可能性があります。その場合は転職を検討することも対策になりますので、転職エージェントに相談をオススメします。
在宅勤務に変えてもらう
せっかく実績を積んだ会社なので転職したくない場合は、上司に相談して働き方を変えてもらえるか相談してみましょう。在宅勤務なら仕事も継続できますし、通勤時間を考えればプライベートの時間も作りやすくなります。
まとめ
育児休暇は男性もとるべきものですが、現状は難しい面もあるでしょう。出産予定を控えている場合は、なるべく早めに会社に相談して、お互いにできる限りのことを提示してみましょう。
育児休暇は家族のサポートだけでなく、子供のためを考えてとるべきことかもしれません。家族や仲間の意見も参考にしてみることもオススメです。