手取り額とはなに?今さら聞けない給料の仕組みについて

手取り額とはなに?今さら聞けない給料の仕組みについて

手取り額とは、給与の話をする際に聞かれる言葉ですが、正しく「手取り額」について理解していない人も多くいるようです。毎月のお給料は銀行口座に振り込まれているので、明細の項目についてあまり気にせず働いてしまうことも。

給料の仕組みをきちんと理解すると、さらにやりがいにもつながりますので、今回は手取り額について知っておきたい大切なポイントをご説明しましょう。



手取り額とは何か

手取り額とはなに?今さら聞けない給料の仕組みについて手取り額とは何か、自分の収入を知るための大切なポイントになります。給与に関しては色々な呼び名や名前がありますので、正しく理解するためにそれぞれの意味についてご説明しましょう。

 

手取り額とは

初めて社会人として会社から給料をもらった時や、転職先の一回目の給料など、明細で気になるのは「手取り額」でしょう。そもそも手取り額とは、収入の中で自分が自由に使えるお金。実際に手にする金額で、「可処分所得」とも呼ばれています。

労働している人が勤務先からもらう金額は、全て受け取ることはできず、税金や保険料などを引かれて支払われています。「控除」部分を除いたものが手取り額となり、銀行口座に振り込まれるでしょう。一般的には総支給額の75~85%が手取り額になるといわれています。

 

額面とは

毎月の給料日。いくら振り込まれているか、銀行口座を確認する前にまず給与明細を確認する人は多いでしょう。通常給与明細は、金融機関に振り込む金額だけが記載されているわけではなく、社会保険料、住民税、所得税など、支払うものが項目ごとに記載されています。

給料の「額面」というのは、これらの給料から引かれる部分など、全てを含んだ金額のこと。給与明細は企業ごとに記載方法は若干異なりますが、まず上部に基本給、残業手当、通勤手当などのプラス金額が記載され、その合計として額面にあたる総支給額が書かれてあります。

次の欄では、控除額として保険料や税金関係が項目ごとに書かれ、控除合計額のトータルを記載。給与明細の最後に書かれている金額が差し引き、支給額でいわゆる「手取り額」となります。

 

手取りがよいのは給料が高いということ?

手取り額とは所得税や社会保険など、支払う義務があるものを除いた、実質的に自分が使える金額のことです。よく友人や家族と給料の話をすることがあるはずですが、手取りが高額金額なら給料が高い会社と判断してもよいのでしょうか。

税金や保険料などは、法律で決められた率で計算されていますので、総支給額によって変化します。控除額は若干違いがあるものの、仕事が変わっても計算方法は同じなので、手取り額を根本から変えるものではありません。

給料が高いということは、基本給や他の手当の金額が関係していますので、手取り額がよいということは支給額が高いことにつながります。

しかし手取り額を高くする要素になる残業代には個人差がありますので、人一倍残業が多い人の手取り額を参考にしても、その会社の給与がよいとは判断できないことも。

また社内預金や財形貯蓄をしている人は、総支給額から差し引かれた金額が手取り額になるので、金額だけではわからないのです。

 

給与明細は手取り額以外もチェックする

給与明細は手取り額だけでなく、控除額もきちんとチェックしておきましょう。会社が支給するお金の中には「基本給・時間外手当・資格手当・残業手当・役職手当・住宅手当・家族手当・通勤手当」などが含まれています。

資格手当や役職手当は、全ての人が対象にはなるわけではありませんが、通勤にかかる費用を会社が負担してくれる通勤手当、いわゆる交通費は遠方の人ならかなりの額になるでしょう。

そして支給された金額から引かれるもの、「控除額」についても、毎月給与明細で確認が必要な大切な部分です。控除されるものは「健康保険料・厚生年金保険・雇用保険・所得税・住民税」など、また40歳以上64歳以下の人は介護保険料も払うことになります。

雇用保険や社会保険は、条件を満たした人が加入できるため、アルバイトやパートは控除されていないこともあるでしょう。

 

給与の手取り額を計算する方法について

生活するうえで一番気になるのは、毎月の手取り額ですよね。ローンの支払いや家賃、光熱費、交際費などのやりくりを考える際は、給与の総支給額ではなく手取り金額が大切です。

たとえばマイホームの購入を計画する場合など、長いローンを抱える場合は大体の手取り額が参考になります。一般的な手取り額の割合を額面に掛けて計算すれば、大体の手取り金額がわかります。

たとえば月給の額面が20万円なら、0.75~0.85を掛けて、おおよその手取りは15~17万円と算出できるでしょう。年収の額面も同じく、額面に割合率を掛けて計算すると、一年間の手取り額合計が想定できます。

しかしボーナスがある場合はさらに手取り額にプラスされるので、年単位で考える場合はボーナスの手取り額もプラスして考えておきましょう。

 

求人広告を見る際に注意したいこと

手取り額とはなに?今さら聞けない給料の仕組みについて手取り額と総支給額は数万円の違いがありますので、転職活動をする時も給与面で誤解しないよう、正しく求人広告を読むことが大切です。会社選びで失敗しないためにも、とくに次のポイントは慎重に理解しておきましょう。

 

求人広告の給与について

もっと高い年収を得たいために転職を考える人は多いでしょう。求人広告には、自分の希望条件と照らし合わせるための大切な情報が詰まっていますよね。

とくに給与面については、記載されている金額が「手取り額」なのか「額面」なのか、よく勘違いしてしまうポイントです。求人広告に明記されているのは、一般的には額面。

手取り額ではありませんので、この金額を参考にして所得税などの控除を引いた手取り額を想定してみましょう。

 

手当が多い企業は安心?

求人広告には給与、休日、仕事内容、勤務時間などと詳細が記載されてあり、給与に関しては「基本給」が書かれている場合もあります。

給与の仕組みは基本給に手当てがプラスされ、税金や保険料などが控除されて残った金額が手取り額なので、基本給が低くても手当が多い企業なら、希望の手取り額に到達すると考える人もいるでしょう。

人材を募集する際、企業はできるだけたくさんの応募者の中から選択したいため、魅力的な内容で募集要項を作ることがあります。「基本給が少なくても、当社は手当が多いので安心」というアピールは、慎重に判断してください。

その理由は、基本給には含まれない手当が多いと、賞与を計算する際に金額が少なる可能性があるため。手取り額を高くするためには、残業代で稼がなければならないという状況もありますので、基本給が安くて手当が多いというのは必ずしも優良求人とはいえない可能性があります。

 

社会保険は必ず加入するもの?

手取り額に影響を与える控除額に、社会保険があります。求人広告では「社会保険完備」をアピールする企業がたくさんありますが、手取り額を高くするためには社会保険に入りたくないという人も稀にいるかもしれません。

そもそも社会保険は、株式会社や有限会社、合同会社など、事業形態により加入が義務づけられています。これらの企業形態なら、社会保険は労働者の希望ではなく、加入義務があるので理解しておくこと。

また個人経営の会社も、常時5人以上従業員がいる場合は加入義務がありますので、求人広告を見る時にきちんと確認しておきましょう。

 

まとめ

手取り額とは、私たちが一番気になる給与の金額です。合わせて控除される税金や社会保険も、世の中の仕組みを知るために大切。給与明細の見方や項目の意味がわからない時は、会社の経理や給与担当者に質問しておきましょう。



関連記事一覧