褒められる欲求が強い心理・承認欲求との上手な付き合い方について
褒められる欲求が強い心理は、誰もが無視できないところかもしれませんが、この欲求は上手に向き合いコントロールすることも必要です。
他人から叱られるよりも、もちろん褒められて絶賛されたほうが気分はいいのは当然。そんな褒められる心理と承認欲求について、対処法も含めて詳しくご解説していきましょう。
褒められる欲求と心理背景について
他人から褒められたいと思う気持ちは、上手く活かせばモチベーションになる反面、欲求が強くなると本質が見えなくなる可能性もあります。
では褒められる欲求が強い人の心理背景について、考えられることを見ていきましょう。
重要な存在でいたい
褒められる欲求が強い心理とは、誰かにとって重要な存在でいたいためです。人は認められると心が豊かになり、社会生活の励みにもつながりますので、褒められる欲求は自分の原動力にもなります。
その先にあるものは、大切な人にとって自分はどんな位置づけになっているのか。褒められる行為は重要な存在を得た手応えになるため、何ごとにも代えがたい喜びなのです。
仲間意識が強い
褒められる欲求が強い心理は、仲間意識が強いためです。社会生活の人間関係の中で、徐々に仲間意識とは芽生えるもの。人とのつながりを感じながら、私たちは安心して暮らすことができます。
仲間意識が強い人は、他人のことを思う気持ちがあり、自分だけが幸福だと罪悪感を抱くことも。そのような葛藤があるので、他人から褒められるとホッとできるのでしょう。
一人で何かするよりも、仲間で楽しいひと時を共有したい人は、孤独が苦手なのも特徴かもしれません。
自己肯定感が低い
褒められる欲求が強い心理とは、自己肯定感が低いため、他人から認めてもらえないと自分はここにいてはいけないと勘違いしてしまうのです。
近年普及しているSNSは、肯定感が低い人にとっては大きなチャレンジに。「いいね」の通知がないと、誰からも受け入れてもらえないと不安を抱きます。
そのためスマホを常にチェックして、他人とのつながりを確かめてしまうこともあるでしょう。自己肯定感があれば、他人の評価がなくても幸福度はそのまま維持できますが、他人に頼ってしまうと幸福の感じ方も左右されてしまうのです。
どこかに属していたい
所属欲求が強い人は、褒められる欲求も強い心理があります。特定の集団に属することで満足できる人は、他人から褒められることで所属欲求も満たされています。
このタイプは、自分の置かれた環境に不満を抱いている可能性があり、家族や仲間との身近な関係が上手くいっていないのかもしれません。個々で活動しているように見えても、最終的には人間はどこかに属していたい気持ちがあります。所属している認識があれば、褒められる欲求が強くなることもないでしょう。
精神的なトラブルがある
褒められる欲求が強い心理とは、精神的なトラブルが関係していることもあり、感情が不安定で誰かに褒められないと落ち着かない状態が続く場合があります。
相手や場面に関係なく、いつも不安で褒めてくれる人を探している状態。この場合は衝動的に褒められることをして、他人の注目を集める場合もあるかもしれません。
褒められたい気持ちが強く、自分でもどうにもならない時は、精神的なトラブルの可能性についても考えたほうが安心ですね。
甘やかされて育った
褒められる欲求が強い心理は、子供時代にいつもちやほやされて育っていることが理由。何をやっても周囲が驚いて褒めてくれるまま大人になっているので、努力しなくても自分が評価されると思っているのです。
このタイプは、社会で厳しい扱いを受けると自分ではなく相手を責めてしまうでしょう。嫌なことは誰かが代わりにやってくれるので、甘えが強くいつまでも自立できません。
承認欲求が強くなるデメリット
承認欲求は誰にでもある感情ですが、ある程度を超えるとデメリットになるリスクがあります。では承認欲求が強くなると、どのような悪影響があるでしょうか。
自己アピールが止まらなくなる
褒められる欲求が強くなりすぎると、常に周囲に認めてもらいたいために自己アピールが止まらなくなります。具体的には自分の話が多くなり、他人の話に耳を傾けない状態に。
有名人と知り合いだ、お金があるなど、自慢話を積極的にするようになってしまうのです。たとえば友人が高いブランドの靴を買ったと話題にしている場合。
普通ならそのまま聞き流せる心境なのですが、褒められたい人は負けずに自分の話を割り込ませてしまいます。「私もその靴持っているよ」と、自分の話題で注目を集めようと邪魔するようになるでしょう。
他人の評価に左右される
承認欲求が強い人は、他人からの評価をとても気にする傾向がありますので、褒められる時はよくても逆に否定されるとかなり落ち込んでしまいます。
褒められることが自分の幸福の最終ゴール。そんな重視ポイントがいつもあるので、自分の行動が他人からどう見られているか、常にチェックしないと不安なのです。
他人の評価に左右されてしまうので、自分が本当にやりたいことをできる人は少ないでしょう。
協調性がない
承認欲求が強いデメリットは「自分さえよければ」という価値観が生まれ、他人と足並みを揃えて何かする心の余裕がなくなってしまうことです。
自己顕示欲が強く、自分を目立たせることが何よりも大切。そのため目立たない環境を嫌うので、自分よりも優れた人がいる集団には加わりたくありません。
どちらかという個人プレーが好きで、わがままが通らない時は不快に感じています。
他人を褒めない
承認欲求は自己中心的な考えと似ていますので、いつも褒められたいと思っている人は、自分から他人を褒めることはないでしょう。人間関係においてとても大切な他者を認める行為。
承認されるよう必死になるだけで、優れた人を認めないことは、妬みなのかと誤解されてしまうかもしれません。他人を褒めないと、自分を褒めてもらうことも少なくなるでしょう。その悪循環に気づかないため、いつまでも自分が中心になってしまうのです。
承認欲求と上手に付き合う方法
承認欲求で人間関係が上手くいかなくなることはよくあります。しかし完全になくすことはできない感情なので、上手に付き合う方法をご説明していきましょう。
認めてもらえる環境にいること
褒めてもらいたい人は、心理的に自信不足の自分を隠したい欲求もあるのかもしれません。そんな人が承認欲求を上手くコントロールするには、自分が認めてもらいやすい環境にいることもオススメ。
たとえば趣味の仲間や昔からの友人など、自分のよさを理解してくれる人に囲まれてみましょう。
コミュニケーション能力を高める
承認欲求は食欲などの欲と同じで、満たすごとに幸福感を抱きます。しかし人間の欲とは完全に満たされるものではなく、それを原動力にして前に進むことも大事。
承認欲求はコミュニケーションのスキルを高めると、周囲とのちぐはぐな関係がなくなり、自分が本当に必要とするものを周囲が与えてくれるのです。
褒められるか否定されるかという結果ではなく、周りからは意見やアドバイスをもらうことも大切。なぜなら誰しもが違う価値観を持っているので、ぴったりお互いが満たされることのほうが少ないためなのです。
まとめ
褒められる欲求が強い人は、モチベーションの引き出し方を違う角度から考えてみるとよいでしょう。褒められないとダメということではなく、褒められるまでのプロセスを楽しんだり努力したりする自分を、自分自身が褒めるように思考パターンを変えてみませんか。