みなし残業代の意味について・メリットとデメリットを理解しよう!

みなし残業代の意味について・メリットとデメリットを理解しよう!

みなし残業代はどう算出されているのか、給料明細を見て疑問を感じたことはありませんか。残業代は企業ごとに計算方法や金額が違いますが、「みなし」というのは一般的な残業とは違った意味がある支払い制度。

転職活動中は企業の給与や賞与など、お金のことはとても気になる部分ですよね。そこで今回は、転職先をよく理解するためにも知っておきたい、みなし残業代の特徴やメリットとデメリットについてご解説します。



みなし残業代とは何か?

みなし残業代の意味について・メリットとデメリットを理解しよう!一般的には残業した時間に合わせて残業代が計算されますが、みなし残業とはどのようなものか、トラブルにならないためにも重要なポイントをご説明しましょう。

 

みなし残業代とは

過酷な残業を余儀なくされる会社など、長時間労働時間が社会問題になる今の時代。従業員からしても、残業代はきちんと支払ってもらいたいですよね。

みなし残業というのは、実際に残業した時間ではなく時間外労働分の金額を給与に含めて支払うこと。大きく分けると「定額残業代制」と「みなし労働時間制」の2タイプがあります。

そもそも残業代は、1日8時間の法定労働時間を超える分に対して支払われるものですが、定額残業制は実際の労働時間に関係なく一定額を払うもの。

「ひと月に○○時間残業をした場合の割り増し賃金」として判断されることもあります。みなし労働時間制とは、会社が労働時間を把握しにくいポジションに対して適用するもので、たとえば営業職で外回りの時間など、超過分をみなして残業代を払う仕組みです。他にも休日出勤に対する割り増し賃金、深夜割増賃金などが対象になります。

 

みなし残業の違法性について

みなし残業は就業規則の範囲内で定めることができますので、基本的に労働基準法に反していなければ、定額残業代制もみなし労働時間制も違法ではありません。

しかし注意したいのは、みなし残業を導入している企業の姿勢。労働基準法に違反した労働が常態化している企業も多く存在するので、将来的なことも踏まえて考えるポイントになるかもしれません。

 

みなし残業がルール化されているか

みなし残業といわれるととても曖昧で、従業員が不安を抱いてしまいます。しかし会社のルールとして、みなし残業をシステム化している場合もありますので、その際は就業規則でみなし残業の金額と時間について明示されているかを確認しておきましょう。

たとえば月給25万円の給与のうち、時間外労働45時間分の残業代は5万円支給といった表現。これなら労働時間と残業代の区分けがわかりますので、自分でも計算しやすくなります。

ただしみなし残業は会社が一方的に設定するのではなく、従業員の同意や社内に周知が必要なので、みなし残業の企業は慎重にルールや社風などを確認しておきましょう。

 

残業代が足りない場合はどうする?

みなし残業代の意味について・メリットとデメリットを理解しよう!みなし残業代は、必ずしも適切な額になるとは限らず、実際はもっと働いていたというケースもあります。その場合には、従業員はどのような対処ができるでしょうか。

 

請求は可能

みなし残業代は、全て違法性があるわけではありません。定額の残業代が毎月支払われていたとしても、実際の残業労働時間のほうが遥かに多い場合も決して少なくありませんよね。そのような場合は、不足分を企業に請求することが可能です。

また逆に実際の労働時間が定額の対象になる時間よりも少ない場合でも、企業は定額残業代を払う義務がありますので、不足する場合にはまず給与担当者に確認しておきましょう。

とくに超えた部分の残業代は、サービス残業代になってしまう企業もあるので、そのような労働環境は従業員にとって不利になります。

 

請求書を会社に送る

残業した分をきちんともらうのは労働者の権利。みなし残業代でも正当なものであれば、会社に内容証明郵便で「○○円の残業代が払われていない」という旨を書いて請求書を郵送して請求してください。

一番法的に効力があるのは、弁護士に依頼して請求書を書いてもらうこと。残業代は法的に2年間の時効がありますので、請求行為があれば時効を一時的に止めることもできます。

 

法的機関に持ち込む

みなし残業代の不足分を、法的機関に持ち込んで審議することも可能です。労働者と企業間で起こるトラブルは「労働審判」により審理され適正な解決を行います。

残業代の請求はそのひとつ。両当事者から事情を聞き、和解を目指すことが目的になるでしょう。申し立てから解決まで平均75日と、迅速な審理であることが特徴ですが、企業から異議が申し立てられると訴訟に発展する可能性もあるので専門家とよく相談して判断しましょう。

 

労働基準監督署に相談する

会社と相談して解決することが一番理想的ですが、会社側の主張を曲げないこともあり得ます。その際は労働基準監督署に報告や相談をすることも解決策のひとつ。

行政が動けば、会社としても対処せざるを得ないはずです。この場合は会社の就業規則をきちんと理解して、残業代の請求額が正当であるかどうかを把握しておくと安心。

会社によっては固定残業代が無効になることもあるので、労働者の味方をつけることも検討してみましょう。

 

メリットとデメリットについて

みなし残業代の意味について・メリットとデメリットを理解しよう!リモートワークが増える近年、みなし残業代の制度を導入する企業は決して少なくありません。会社以外での労働に関しては、業務内容や労働時間が把握しにくいため、みなし残業になる可能性があります。

定められた要件を満たしていればどの企業でも導入できるので、トラブルを未然に防げるようメリットとデメリットについてご説明しましょう。

 

残業代が多くもらえるメリット

みなし残業代は実際の労働時間ではなく、あらかじめ決められた一定時間の見込み残業時間に払われるものです。そのため残業時間が少なくても、一定の割り増し賃金をもらえるため、従業員が効率的に仕事をこなし定時で帰っても残業代がもらえることになります。

働く意欲にもつながるので、効率よく仕事を進め会社全体のモチベーションにつながるかもしれません。

 

残業代の計算が楽になるメリット

みなし残業代は、従業員にとっても企業側にとってもメリットがあります。個々の残業代を算出するのはかなり手間になり、給与を管理する部署では月末になると忙しくなると考えられます。

そこでみなし残業代になれば、会社にとって事務作業が楽になるので、その分を他の作業にあてることが可能なのです。

 

求人広告に誤解が生じるデメリット

基本給にみなし残業代を含めて求人広告を出す企業がありますが、内容をよく吟味しないと、労働条件や待遇がとてもよく見えてしまう場合があります。

企業にとってはメリットになりますが、求職者にとってはデメリット。明示をきちんと行っていない求人行為は、違法になってしまう可能性がありますので注意しましょう。

 

残業を強制されるデメリット

みなし残業代だと、一定の残業時間分が給与に含まれているので、その分は必ず残業しなければならないというプレッシャーを感じる可能性もあります。

また企業によっては、残業を強制してくることもありますので、会社の体制をよく理解しておかないととても働きにくい環境に感じるでしょう。

 

まとめ

みなし残業代でトラブルにならないためには、きちんと会社の就業規則を確認し、万が一の場合の対策まで考えておくことが必要ですね。

現在転職活動中の人や、みなし残業代を導入している会社を辞めたいと考えている人は、転職エージェントでまずは相談してみませんか。

みなし残業を導入する企業は増加傾向にありますので、きちんとルール化された企業を見つけるためにも、転職エージェントのサポートが役立つでしょう。



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