人のせいにする心理と性格の特徴・自分を変えるために今からやること
人のせいにする心理が働く場面は、誰でも一度は体験したことがあるでしょう。なぜ私たちは他者に責任を押しつけたくなるのか、そして人のせいにすることがとても簡単に見えるのはどうしてなのでしょうか。その誘惑に負けてしまうのは、心理的なことが背景にあるためなのです。
人のせいにする心理や性格について
人のせいにするのは、深層心理が関係することがよくあります。責任転嫁する人は、人間関係でもとても苦労しやすいため、自分を向上させるためにもまずは理由から考えてみましょう。
自己中心的
他人のことを考えずに、自分が有利になることだけを考える人は、人のせいにする心理が働きます。失敗した時に怒られないよう他人を巻き込み、自分は逃げてしまうタイプ。
自己中心的な人は計算高く、意図的に他人を陥れることもあり、何度も続けて責任転嫁しているので罪悪感が全くありません。エスカレートすると改善の余地はなく、次第に人間関係が上手くいかなくなりますが、それも自分のせいではなく他人のせい。いつまでも自分の落ち度に目を向けられないでしょう。
ステータスを気にするため
人のせいにするのは、心理的に自分のステータスやアイデンティティを気にするためです。たとえば自分に不利になることをやってしまった場合。
評価が下がると困る立場の人や、自分を慕っている人がたくさんいる場合などは、なんとかその状況から逃れたくなりますよね。改善するよりも、他人のせいにして逃れたほうが自分は楽なのです。
立場が上の人が、自分の部下のせいにする場面。相手が言い返せないことを知っているので、権力を乱用して人のせいにすることもあるでしょう。
気持ちを誰かに転嫁したい
誰でも失敗やミスはあることで、その時にどう対処するかで人間としての価値がわかります。人のせいにするのは、心理的に自分が抱く悪い気持ちや否定的な感情を、誰かに転嫁したいため。
いつまでも失敗をくよくよと考えたくないので、人のせいにして他人が困る姿を自分に置き換えているのです。大失敗して気持ちの整理がつかないから、代わりに苦しんでほしいと言っているようなもの。
考えるだけなら簡単ですが、実際に他人を巻き込むのは難しいですよね。このタイプの人は、小さい頃から誰かが自分を庇ってくれた環境があり、自然と大人になっても責任転嫁する癖があるのです。
他人のモチベーションを高めたい
人のせいにする心理は、責任転嫁のターゲットのモチベーションをアップしたい願望があります。本人は全く自覚していないはずですが、責任転嫁された人は自分の正当性を証明するため、かなり努力を強いられています。
そのような状況が時にはモチベーションになり、責任転嫁された人は隠された能力を発揮することも。都合よく他人のためを思っている心理も関係しています。
責任感がない
人のせいにするのは、心理的に責任を負う負担が抱えきれないためです。「キャンセルカルチャー」というのが最近増えていますが、失敗した人を排除したり無視したりする動きは今の時代の特徴。
このようにキャンセルしてしまえば、問題は簡単に片づきそうなイメージはあるものの、本質的なことは変わらないのです。人のせいにするのは、責任を持つことに価値を抱かないため。責任が負えない時は、人のせいにするのが一番楽な逃げ道なのです。
自信がない
人のせいにするのは、心理的に自分に自信がなく、他人からの評価を必要以上に気にするため。失敗が続くと「できない人間」だと思われてしまうので、それ以前に本来の自分をカバーしているのです。
自信がある人なら、たとえ失敗しても、そこから回復するだけのスキルやエネルギーは持ち合わせているはず。そんな人間になれないと、焼きもちに似た感情も生まれてしまい、責任転嫁したくなるかもしれません。
責任転嫁しやすい人が今やるべきことは?
誰にでもある人のせいにしたい欲。迷った時は次のポイントを頭に入れておくと、困難な状況と向き合いながら適切な対処がとれるようになります。
失敗の捉え方を変えよう
人のせいにするのは、「失敗」に対して否定的な考え方があるため。失敗したら人生が不幸になると思ったり、失敗すると評価が悪くなったりすると不安になるのです。
失敗を恐れる人は、捉え方を変えてみましょう。失敗は人生の糧になること。逃げる習慣があると、失敗から逃げることしか学べません。どんな成功者にも失敗はつきもの。
失敗するほど自分の経験値が高くなり、さらに成功に向けてエネルギーが湧いてくるのです。成功が続く人にはわからない人生の価値が、失敗には隠されているでしょう。
非を認めるほうが気分はいい
人のせいにすると、責任転嫁した相手との関係が悪くなり、さらに自分の評判が悪くなる可能性があります。小さな失敗でも多数の人が巻き込まれ、次第に自分の居場所がなくなるリスクもあるでしょう。
自分の非を素直に認めるのは楽ではありませんが、責任転嫁した後のような負の連鎖はありません。責任を認めて失敗を改善することのほうが、考え方によってはとても気分がよく、心の負担もないのです。
自分ができなかったことに目を向けると、今後の行動にもメリットが生まれるはずです。
成功体験を重ねる
人のせいにするのは、人間の防御本能かもしれません。誰でも一瞬頭をよぎるこの誘惑は、責任感がある人でも避けられない場面はあります。
ではどうすれば逃げ腰になる自分を変えられるか、焦ってしまう人もいるでしょう。その場合は、成功体験を少しずつ積み重ねて自信をつけてください。
自分の心の中で実感を得られる成功体験を生み出すこと。例えば苦手なことを克服して恐怖心をなくすなど、自分が成長しているという感覚をどんどん高めていきましょう。
自分のせいにされた時はどうするか?
人のせいにするタイプの人間は、周囲に意外と多く存在しますので、タイミング悪く自分がターゲットにされた時は次の対処方法を実践してみてください。
適度に距離を置く
責任転嫁する人は自分の考え方に固執しているので、間違った認識を持っている可能性もあります。この場合は、自分のせいにされて反論しても全く話にならず、もっと状況が悪くなるリスクもあるでしょう。
そんな厄介な人とは距離を置いてしまうのが一番。できるだけ自分から関わることはせず、最低限の付き合いにしましょう。
責任のある人を明確にする
責任転嫁が上手な人は、タイミングよく周囲を納得させて、その場から逃げてしまいます。自分が可愛いため、他人を陥れるのは全く平気。
そんなタイプの人が周囲にいる時は、常に責任のある人を明確にしましょう。たとえば仕事のプロジェクト。自分がやるべき範囲はここまでで、これ以外のことは他の人がやっていると、周囲にもアプローチしてください。
証拠を残す
人のせいにするタイプはとても口が達者で、言い返しても丸め込まれてしまうことがよくあります。責任転嫁された人が最終的に損するリスクもあるので、そうならないためにも証拠をきちんと残しておくと。
失敗した人のサイン、書類のコピー、メールなど、怪しいと思ったものは記録しておきましょう。
まとめ
人のせいにする心理は、弱い自分を守りたい気持ちが強すぎるからなのでしょう。世の中、責任感がある人ばかりではありませんので、周囲が公平に暮らせるためにも、自分のミスや失敗はきちんと認められる大人になりたいですね。人のせいにして自分が助かっても、いつか必ず同じことが繰り返されるのです。